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[社説]金正恩氏の演説は歴史歪曲と時代錯誤のでたらめだ

[社説]金正恩氏の演説は歴史歪曲と時代錯誤のでたらめだ

Posted April. 16, 2012 08:50,   

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労働党第1書記と第1国防委員長という肩書を持つ金正恩(キム・ジョンウン)氏が15日、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場閲兵式で、約20分間演説した。父親の故金正日(キム・ジョンイル)総書記は、92年4月の人民軍創建60周年記念式で、「英雄的朝鮮人民軍将兵に栄光あれ」という約6秒間の一声が最初で最後の大衆への公開の肉声となった。北朝鮮を掌握した金総書記は、大衆への公開演説で住民を説得する必要性を感じなかったのだろう。しかし、30才の正恩氏は、周囲の勢力や平壌住民に最高指導者として公開演説を通じて認められたかったのかもしれない。

正恩氏は、低い声、髪型、身なりから歩き方まで、金主席を模倣したようだ。しかし、若くして権力を握った重圧感のためか、終始左右に体を動かし、準備された原稿を読むためにうつむいてばかりいた。金主席の真似はしたが、祖父のカリスマ性には程遠かった。

正恩氏は、閲兵式に参加した幹部と兵士に、金主席の抗日パルチザン部隊の軍服を着せた。日々変化する先端デジタル時代に、北朝鮮の時計は60年前に止まっていた。6627字の演説も、歴史の歪曲と時代錯誤の一色だった。北朝鮮住民を「金日成主席民族」と言ったのは、金主席を檀君の地位に引き上げようという意図のようだが正しくない。「韓民族への冒涜」だ。正恩氏は、「金日成主席、金正日総書記の領導の下、波乱の多い受難の歴史に永遠の終止符を打ち、祖国と人民の尊厳を民族思想の最高の境地に引き上げた」と強弁した。北朝鮮は天然資源が豊富で、日本帝国主義が残した工業施設が北朝鮮に偏重したため、70年代半ばまでは韓国の経済力をリードした。しかし、金氏世襲王朝の閉鎖経済と先軍政治で世界の最悪の失敗国家に転落したことは、天下が知る事実だ。

正恩氏は、先軍を強調し、「一にも、二にも、三にも、人民の軍隊を強化していく」と演説した。2日前、打ち上げ135秒後に8億5000万ドルの長距離ロケットが空中分解したことについては言及しなかった。国連安全保障理事会と米国は1874号決議を違反した北朝鮮に対して、迅速で断固たる制裁措置を取る準備をしている。北朝鮮は、ロケット打ち上げ失敗を挽回するために、3回目の核実験カードで全世界に対して再び瀬戸際戦術をする可能性が高い。若い指導者が独自の指導力を発揮できず、強盛軍部に負ぶさっているという分析も出ている。韓国としては、北朝鮮体制の挑発を阻止するための国論の結集と安保態勢の強化が何よりも重要だ。