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「お金、要りません」

Posted September. 23, 2006 03:55,   

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「お金、要りません。」

仁川市富平区(インチョンシ・ブピョング)にある薬品向け硝子容器メーカーのS社のハン(43)社長はこの頃、銀行から貸出しを勧める電話を受けるたびに、このように答える。

年間100億ウォンくらいの売上げをあげるS社が年末まで必要な資金は、老巧設備交替費用3億ウォンほどにすぎない。しかし、社内留保金だけでも10億ウォンほどあるため、貸出しが必要ない。

お金を必要とする企業と個人が減っている。お金に対する「需要」が減少していることからお金が回らず、これは体感景気をより悪化させている、というのが経済専門家たちの指摘だ。

▲消費者心理指数、7四半期ぶりに最低

お金の消費が減り続けている最大の理由は、個人たちの消費心理萎縮だ。

中央銀行の韓国銀行(韓銀)が22日に発表した「消費者動向調査結果」によれば、今年第3四半期(7〜9月)の消費者心理指数は96で、第2四半期(4〜6月)の101より5ポイント低くなった。これは、04年第4四半期(9〜12月)の87ポイント以後、7四半期ぶりの最低水準だ。

消費者心理指数が100より低ければ、生活状況などが悪化すると展望する人が、好転すると展望している人より多いという意味だ。

各種不動産規制と不動産価格下落可能性のため、個人は貸出しを受けたがらないでいる。

来月初め、賃貸期間が終われば家を買うつもりだった金テジョン(41・京畿道高陽市花井洞)さんは最近、今住んでいる家にあと2年住むことに決めた。

金さんは、「不動産価格がどう動くか知れない状況なので、家に投資しない方がよいと判断した」と話した。

金さんのような人が増えるにつれ、銀行の住宅担保貸出しは急速に減っている。4月の1カ月間、3兆1716億ウォンが増えた住宅担保貸出しは、8月には1兆3255億ウォンが増加するのにとどまった。

▲企業「社内金庫」お金が積もる

今年上半期(1〜6月)、活発に貸出しを受け投資を増やした中小企業は下半期(7〜12月)に入ってから、多少変わった。今年4月、5兆55億ウォンが増えた銀行の中小企業貸出しは、8月には2兆3840億ウォン増加にとどまり、月別増加額が半分以下に減少した。

朴ジュヨン企業銀行与信企画部チーム長は、「年末に近づくにつれ、中小企業が年間業績を合わせるため貸出しを減らしているうえ、景気が悪化するという信号があちこちから出ていて、中小企業も設備投資を延期しているようだ」と評価した。

一方、企業がお金を儲けても投資せず、社内に積んでおいたお金はますます多くなっている。

証券先物取引所によれば、取引所市場で決算月が12月であるメーカー539社の6月末現在の社内留保率は平均597.61%で、昨年末の574.36%比23.25%高くなった。

▲お金は日増しに回らなくなり…、政府の対策が急がれる

貸出しを受ける企業と個人が減少していることから、お金もだんだん回らなくなっている。

韓銀によれば、季節的要因を反映した通貨量(M2基準)流通速度は昨年第4四半期の0.81から、今年第1四半期(1〜3月)には0.80に下落したのに続き、第2四半期には0.79まで低くなった。

貨幣流通速度と言うのは、一定期間に通貨の一つの単位が商取引に使われた平均回数で、同数値が低くなれば、個人、企業など経済主体の間で金融および商取引が減少するという意味だ。

経済専門家はこのような状況のため、人々が感じる景気が、実際よりもっと悪くあらわれていると説明する。

シン・ミンヨンLG経済研究院研究委員は、「貨幣の流れを改善するため、政府は、個人に対しては不動産取引き活性化方案を、企業に対しては投資を誘導する規制緩和と公共投資拡大などの措置を急いで施行しなければならない」と述べた。