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彼らはなぜ開城にいくのか…中小企業の開城ラッシュ

彼らはなぜ開城にいくのか…中小企業の開城ラッシュ

Posted May. 05, 2007 08:08,   

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先月末、開城(ケソン)工業団地を訪れたミョンジン化学のチョン・ウルヨン社長。開城工業団地管理委員会から安い賃金や土地分譲価格、税制への優遇対策などについての説明を聞いた後、「大もうけできそうですね」と期待感を表した。

しかし、実際に工場を見回したチョン社長の表情は暗くなった。

チョン社長は、「北朝鮮の労働者たちの作業環境では韓国の労働者たちのように、お互いに競争しながら懸命に働く姿を、なかなか目にすることができなかった」と話した。社会主義の経済体制に慣れて、競争意識の弱い北朝鮮の労働者たちの作業態度が気に入らなかったためだ。南北関係の変化に伴う事業リスクも気がかりなことだった。

それでもチョン社長は、開城工業団地への投資の長所や短所を熟慮した後、投資への参加に踏み切ることを決めた。

低賃金などの魅力がより大きいと判断したためだ。

●彼らはなぜ、開城工業団地にいくのか

最近、開城工業団地に投資する中小企業が増えている。

中小企業中央会が4日、ソウル汝矣島(ヨイド)で開催した開城工業団地分譲説明会には300人あまりの企業家でにぎわった。前日、京畿道安山市(キョンギド・アンサンシ)で開かれた説明会にも、100人あまりの企業家が出席した。

現在、開城工業団地では22の企業が活動している。中小企業中央会では今年中に300企業を入居させる計画だが、分譲申し込みはこれよりさらに増えるものと見られる。

企業家たちは、何よりもまず開城工業団地の低賃金に魅力を感じている。開城工業団地の労働者の賃金は1月当り60ドル(約5万7000ウォン)ぐらいで、韓国で労働者1人を雇う金で20〜30人を雇えるためだ。

エレベーター安全装置製造メーカーのクムヨンジェネラルの李グムギ社長は、「今、経営している工場の人員は100人を越えているが、開城工業団地の人材を活用すれば、コストをさらに下げることができるだろうと期待している」と話した。

韓国の中小企業には、「機会の土地」として映ってきた中国の賃金が早いスピードで上がったことも、彼らを開城工業団地に向わせる理由だ。地域ごとに差はあるものの、中国海岸地域の労働者の賃金は1月当り150〜200ドル水準で、10年前に比べて2倍近く跳ね上がった。

安い分譲価格や税制への優遇対策も、開城工業団地の強みだ。開城工業団地の1坪あたりの分譲価格は14万9000ウォンで、国内はもとより、上海や金橋湧出加工区(約45万ウォン)、ベトナムのタントゥオン工業団地(約40万ウォン)よりも安い。法人税への優遇措置も受けられ、初めて利益が出る年から5年間は免除され、それ以後3年間は50%が減免される。税率は14%で、中国(25%)より低い。

●開城工業団地の陰

しかし、開城工業団地は依然として不安だ。もっとも大きな不安要因は、何より南北関係だ。南北関係は揺らぐたびに、入居企業している各企業では事業への影響はないのかと不安がる。

今月末行われる開城工業団地本団地の分譲は、開城工業団地事業が南北関係の影響を受ける代表的な事例だ。本団地の分譲は本来なら昨年6月に行われる予定だった。しかし昨年、北朝鮮の核問題が持ち上がり、1年近く見送られた。

出入国の手続きも、これまで地道に手続きが改善されてきたとはいえ、依然として不便だ。午前8時30分から午後4時までのみ出入国が可能なため物流効率が悪く、出勤や退社することも大変だ。ソウルから開城までは60キロに過ぎず、移動時間は1時間もかからないが、出入国の手続きには1時間以上かかる。

このようなマイナス点にも関わらず、相当の中小企業家たちは開城工業団地への投資に一応期待をかけている。チョン・ウルヨン社長は、「開城で二重まぶたの手術を受けた北朝鮮の女性を4人も見たが、それは北朝鮮でもすでに開放が始まったという証拠だ」としながら、「事業というのは元来、危険を冒してこそ大きな利益を得られるのではないか」と語った。



sanhkim@donga.com