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賃金ピーク制、分かれる明暗

Posted January. 14, 2008 07:21,   

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韓国鑑定院は04年末に導入した「賃金ピーク制」を昨年11月に廃止したことが確認された。賃金ピーク制を導入した国内100社あまりの企業のうち同制度を廃止したのは、韓国鑑定院がはじめてだ。

13日、ユン・テホン韓国鑑定院・経営管理室長は、「昨年まで賃金ピーク制に組み込まれた30人あまりには従来の制度を適用するが、今年からは同制度を運用しないことを決めた」と話した。

これを受けて、韓国鑑定院は、賃金ピーク制を導入し満59歳へと1年間延長した定年を再び58歳へと下げた。また、定年前の3年間、段階的に下がった賃金ピーク制対象者の年収も、元通りに戻すことにした。韓国鑑定院が賃金ピーク制を廃止した理由は、組織内での上下関係の逆転や、単純業務につかされた賃金ピーク制対象者たちの不満などの問題点が予想より大きかったためだ。

●「品位を守れる業務につかせてほしい」

韓国鑑定院は04年末、満56歳になる職員たちを対象に、初年度は従来賃金の80%、2年目は70%、3年目は50%を払う賃金ピーク制を導入した。

それ以来、同制度が適用された20人あまりの実務者は従来の業務にそのままつかせたが、部長や支店長級の管理職7、8人には、現場で不動産相場などを調査する単純業務を任せた。このため、該当管理職からは「幹部としての品位を守れる管理業務につかせてほしい」という反発が起きた。

韓国鑑定院の関係者は、「全職員が800人ぐらいの組織で、先日まで上級者だった人が、後輩の下で単純業務を任されると、会社の雰囲気が相当落ち込み、管理職たちが担当した仕事もきちんと行われなかった」と語った。年齢による上下関係を重んじる韓国的な組織の雰囲気を克服するのには限界があったわけだ。結局、昨年末、鑑定院は労使間の協議を経て、3年ぶりに賃金ピーク制を廃止した。

金ジョンハン韓国労働研究院・研究委員は、「韓国で賃金ピーク制の廃止事例が報告されたのは今回は初めてだ」と話した。

●管理職に任せる適当な業務がない

03年、信用保証基金を皮切りに、金融件ではウリィ、ハナ、国民(クンミン)などの市中銀行が、公企業の中では韓国輸出入銀行や韓国住宅金融公社などの公企業が賃金ピーク制を導入した。

これらの企業の多くは、賃金ピーク制の対象者たちに債権取り立てや債権事後管理などの業務を任せている。ある市中銀行の関係者は、「人事停滞の解決手段として同制度を導入したが、任せる仕事がなく、地域本部の監査職を新設した」とし、「しかし、大きな成果は期待も評価もしていない雰囲気だ」と語った。

今月初頭、賃金ピーク制が実施されたある市中銀行の某支店長は、出勤すらしていない。

同支店長は、「地域本部から待機するよう指示を受けているが、与えられた仕事がなく、そのまま自宅にいる」とし、「配置を受けても、支店で顧客を案内したり地域本部に机ひとつだけ置いて営業をしたりすることになるので、正直に言ってあまりやる気がない」と述べた。

●機能職の成果は高い

「管理職の余剰人材の処理」制度として活用される金融分野とは異なり、賃金ピーク制後にも同じ仕事をする製造業・機能職サイドでは、制度が労働者たちからいい反応を得て、早いスピードで広まっている。

03年末、製造会社のうち初めて賃金ピーク制度導入した大韓(テハン)電線は、管理職や研究開発(R&D)分野を除き、機能職(生産職)だけに満50歳から適用している。

大韓電線の関係者は、「会社としては熟練労働者を少ない負担で引き続き保有でき、高齢の労働者たちもより長く働けるので、反応がいい」とし、「賃金ピーク制の成果の高いことがわかり、一昨年、定年を満59歳へと延長した」と話す。

04年、賃金ピーク制を導入した大宇(テウ)造船海洋の関係者は、「賃金上昇率は下がるものの賃金は下がらず、労働意欲の下落を防止できるので、効果がいい」とし、「適用後も成果評価は厳しく行い、給料を差別化している」と話す。

これを受け、LG電子や、LGマイクロン、LG電線なども昨年から賃金ピーク制度導入した。

金ギテ大韓商工会議所・労使人材チーム長は、「われわれより先に賃金ピーク制を導入した日本では、高齢化社会の進展とあいまって、機能職に導入された賃金ピーク制がより大きな効果をあげている」とし、「金融圏などのほかの分野での賃金ピーク制の定着のためには、定年を控えている人材がやる気を起こして働けるような職務の開発が急務だ」と語った。