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胚性幹細胞、無限分裂の「スイッチ」解明

胚性幹細胞、無限分裂の「スイッチ」解明

Posted March. 25, 2010 04:20,   

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胚性幹細部(ES細胞)無限に作り出す「スイッチ」を韓国人科学者を含む国際研究チームが解明した。胚性幹細胞は、胚から得た幹細胞で脳、血管、筋肉など体内のすべての細胞へと分化させることができ、難病を治療できる万能細胞と呼ばれる。

李ソンリム慶尚(キョンサン)大学獣医学部教授(34)と米国立保健院(NIH)のミノル首席研究員は24日、「胚性幹細部の分裂と増殖に必須の遺伝子を発見した」と明らかにした。研究結果は、25日付の国際学術誌ネイチャーに掲載された。

この遺伝子は、幹細胞がガン細胞に分裂する現象とも関わっているため、安全な幹細胞の治療法の開発に貢献するものとみられる。

李教授は、「胚性幹細胞は、一般細胞とは異なり、無限に分裂し細胞数が増えるが、私たちが発見した『Zscan4』という名前の遺伝子が、分裂過程で中核の役割を担うということを解明した」と説明した。

この遺伝子は、染色体の末端にある「テロメア」という部分の長さを司る。細胞が分裂するたびに、このテロメアが短くなり、ある程度まで短くなると細胞はそれ以上、分裂できない。これに対し、幹細胞やガン細胞は、テロメアの長さを維持する機構が存在し、分裂し続ける。この現象を発見した米サンフランシスコ・カリフォルニア大学のエリザベス・H・ブラックバーン教授らは、昨年ノーベル物理学賞を受賞した。

ブラックバーン教授は、「まるでスイッチのようにこの遺伝子がオンになると、胚性幹細胞が分裂しても、染色体の末端(テロメア)が長く、安定状態が維持されるため、分裂し続ける。遺伝子がオフになると、ぴたりと細胞分裂が止まるほど、遺伝子の役割が大きい」と説明した。

特に李教授は、「この遺伝子のオン・オフを調節する技術が開発されれば、胚性幹細胞がガン細胞に分裂することを防ぐことができ、幹細胞治療の最大のネックとされるガン発生問題を克服できる。最近、最も注目を集めている脱分化(他臓器幹細胞への変換)研究にも利用できる」と話した。



dream@donga.com