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殺処分家畜875万、関連業者の2次被害は推算もできず

殺処分家畜875万、関連業者の2次被害は推算もできず

Posted February. 14, 2011 09:54,   

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「口蹄疫、鳥インフルエンザ(AI)による2次被害がどれほどなのか検討をつけるのも難しいです」

約20年間、慶尚北道安東市(キョンサンブクド・アンドンシ)で籾殻販売会社を運営するキム・ウォンヒョン代表(48)は、口蹄疫による被害状況についてこのように話した。キム代表は、「畜舎の保温などに使われる籾殻の販売は、秋の収穫が終わった晩秋と冬季がシーズンだ。よりによってその時に口蹄疫が発生して…」とだけ言って呆然としていた。キム代表は、「この2ヵ月間、仕事が全くできなかったため、ざっと計算しても1億ぐらい被害を被ったようだ。さらに大きな問題は口蹄疫が終わっても牛がいなくて取引先がなくなり、畜産農家が回復するまで1年ぐらいは仕事から手を引かねばならない状況だ」とため息をついた。

安東地域は、全体牛飼育農家の4万4000頭のうち77.3%の3万4000頭あまりが殺処分された。豚は10万8000頭あまりが埋没された。全体飼育頭数11万2000余頭の96.4%に達する。

●口蹄疫、計り切れない2次被害

13日現在、口蹄疫(330万頭)とAI(545万羽)による1次被害額は、殺処分家畜だけで約875万に上り、補償額は約3兆ウォンと推算される。事情がこうなので、籾殻、栄養剤などを供給する関連業者の2次被害も推算が不可能なほど大きいと予測されている。

一例で最近の殺処分で安東で200頭を飼う牛農家が消えたら、この農家と関連した業者の年間被害額だけで2億6500万余ウォンが越えることが分かった。

京畿道金浦市(キョンギド・キムポシ)で18年間飼料代理店を運営してきたイ・ナムヨン社長(46)は、「金浦地域の畜産農家に月平均2億ウォンぐらいを売っていたが、相当数の牛が殺処分されて売上が6割ぐらい減った。金浦地域の畜産産業が崩壊して、これから代理店の運営が厳しいようだ」と話した。家畜の糞尿を収去して肥料を作る安東市のテドン有機質肥料産業は、昨年12月から今年1月まで3億6000万ウォンを損した。同社のイ・スンユン室長は「移動制限措置のため、肥料生産は言うまでもなく、糞尿の収集もできない」と訴えた。家畜薬品を供給する大邱北区(テグ・ブクグ)のW薬品のキム某さん(58)は、「安東地域で風邪薬や栄養剤の販売はもうなく、他の地域も引き続き減っている。売上が40%以上急減した」と話した。

江原道春川市碩士洞(カンウォンド・チュンチョンシ・ソクサドン)で修士洞でゴプチャン(牛の小腸)屋をやっているキル・ビョンハムさん(51)も10日間も材料を供給してもらえなくて気を揉んでいた。近くの平昌(ピョンチャン)、洪川(ホンチョン)、横城郡(フェンソングン)などで屠畜される材料を供給してもらっていたが、口蹄疫発生後、赤身を除いた各種副産物が廃棄処分されて供給が完全に途絶えた。キルさんは、「沸騰して火を通して食べる牛の副産物をわざわざ廃棄する理由があるのか。物量を確保する方法がなくてこれからの生活が心配だ」と話した。

全国的に有名な忠清南道天安市竝川面(チュンチョンナムド・チョンアンシ・ビョンチョンミョン)の竝川スンデ(豚の腸にもち米や野菜などを入れて作った食べ物)の30カ所あまりの食堂も閑古鳥が鳴いている。客足を増やすためには値段でも下げなければならないが、商売がうまく行かなくて、かえってグッバプ(ご飯入れのスープ)は5000ウォンから6000ウォンへ、包装スンデは8000ウォンから1万ウォンへ値を上げた。スンデの主な材料の豚の頭肉や心臓、舌、肝など豚の副産物や野菜価格が急騰しているからだ。

●殺処分の牛・豚・鶏は875万

全国の各市道は肉類卸売り業、肉加工業、観光産業などで口蹄疫やAIによる2次被害が大きいと見ているが、防疫や殺処分が精一杯で被害調査に取り組む余裕がない。慶尚北道は口蹄疫が終わった後、被害調査に乗り出す計画だ。道畜産経営課の関係者は、「関連企業などの売上減少の現況を把握するなど、2次被害額について綿密な調査を実施する」とし、「被害が大きい業者に対して経営安定資金を低利で支援するなどの対策を講じる方針だ」と話した。

京畿地域も口蹄疫とAIの被害が拡散し続けていて、2次被害は先送りにされている。9日現在まで豚の場合、全体飼育規模の何と71%の163万6564頭が殺処分された。鶏と鴨も156万羽を越えた。これを受け、京畿道は間接被害を被った企業を対象に特別経営安定資金200億ウォンを調達した。年利子4%で1社当たり最大2億ウォンを支援してもらえる。最近は支援対象を畜産関連企業のほかに一般飲食店やスーパーマーケットなど自営業者に拡大した。口蹄疫よりAIの方の被害がさらに深刻な全羅道(チョンナムド)もAIが終わるまでは2次被害額の算出が厳しい状況だ。

●被害は広範囲だが、関連性の立証が困難

事情は深刻だが、口蹄疫とAIによる2次被害の直接補償は事実上難しい。範囲が広すぎる上、被害のつながりを立証し難い分野も多くて、推算が難しいためだ。行政安全部のイ・ジェユル災難安全管理官は、「2次被害を国の予算で補償するには範囲が広すぎて、被害規模に対する客観的な基準算定が難しい」とし、「2次被害に対し補償したくても予算確保が簡単でない」と話した。

実際、01年口蹄疫で家畜620万頭を屠殺した英国も韓国と類似の2次被害が発生したが、それに対する補償はなかった。農林水産食品部の関係者も「口蹄疫のためたくさんの地域で毎年開く地方祭りは殆ど取り消しとなり、それによる観光客の減少で住民の収益が大幅に減ったが、この場合も同じく補償は難しい」と話した。



jang@donga.com imlee@donga.com