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LCD特許紛争で勝訴した三星、舞台裏には技術・法律と格闘する法務チーム

LCD特許紛争で勝訴した三星、舞台裏には技術・法律と格闘する法務チーム

Posted May. 11, 2011 07:36,   

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「特許訴訟は最後まで行くことが少ないのですが…、鳥肌が立ちましたね」

三星(サムスン)モバイルディスプレイ(SMD)のホン・ソンジン法務チーム主任は、最近忘れられない経験をした。6年間続いた米国ハネウェル社との液晶表示装置(LCD)技術関連の特許侵害訴訟で最終勝訴したからだ。ホン主任は、「特許訴訟は、結局は途中で和解する例が多いため、今回の件みたいに最後まで行って勝つことは、生涯に一度か二度しか経験できないことだ」と言い、「最近は、不当な特許侵害攻撃には厳しく対応する雰囲気だ」と話した。

ハネウェル社は、04年に世界の30あまりの主要LCDメーカーを相手取って特許侵害訴訟を提起した。他のメーカーは、訴訟を回避しようと同社にライセンス費用を支払うことにしたが、三星は不当だとして最後まで争うことを決めた。結局、先月末、米連邦控訴裁判所は2審でも三星に軍配をあげ、ハネウェル社は控訴を断念した。

このようなグローバル特許戦争の舞台裏には、デスクに法典を積み上げて、英語文書の一字一句にもミスを防ぐために丹念に調べる法務チームの実務者たちがいる。彼らは、会社の技術を守るために外部からの攻撃に対応し、自社技術を迅速に特許出願する業務を担当している。

●技術防御、24時間態勢

三星電子のスマートフォン「ギャラクシーS2」に採用された「スーパー・アモレッド・プラス」。SMDが開発した、この小さなアモレッド画面には、数千の特許技術が含まれている。その分、SMD法務チームは、仕事に追われる日々が続く。アモレッドは、SMD以外には大量生産されているメーカーが少ないため、特許ハンターたちに狙われ易いからだ。

ホン主任は、「とくに技術はあるが、製造業の主流から外れたメーカーが特許紛争に積極的に取り組んでいる。製造業の主流になった韓国企業は、これに積極的に対応する構図になっている」と話した。

実際、国内企業は特許への対応を強化している。三星電子は最近、アップル社の特許侵害訴訟に対抗して訴訟を提起した。またソウル半導体も、フィリップスに対して、発光ダイオード(LED)関連技術の特許を侵害されたとして対抗訴訟で反撃に出た。00年代初めまでは知らないうちに特許ハンターにやられていた韓国企業が、知的財産権の保護に乗り出している。

会社の開発者たちによる「発明」を機敏に特許出願する業務も重要だ。工学部や美術学部出身のユニークなキャリアを持つ入社2年目のキム・ソンヨン氏は、自社エンジニアたちによる技術の特許出願を担当している。たまに、「なぜ私の発明が特許にならないのか」と年配の社員たちに怒鳴られることもあるが、「細かく書かれた」分析報告書をもとに説得する。

●業務外の勉強は基本

契約業務を主に担当しているパク・ヨンソ氏は、夜になると放送通信大学法学部3年生になる。よほどの技術トレンドーや国内外の法律に詳しくなければならないためだ。パク氏は、「小さな失敗が、将来、会社の足を引っ張ることにもなりかねないため、5〜10年先を見ようと努めている」と話した。

金氏もエンジニアたちと専門的な技術について議論するため、仕事の合間を縫って「技術考試」受験生向けの動画を見ている。金氏は、「いくら立派な発明も特許の要件を満たしていない可能性がある。そういうとき、特許担当者がアイデアを出して、同技術の設計をし直して、究極的には特許に仕立てるのを『ハッピー設計』と言う。いつかは、このハッピー設計をやり遂げたくて、勉強が手放せない」と語った。

ホン主任は、「今は防御に汲々としているところがあるが、我々の技術を侵害するところを探し出して積極的に攻撃したい」と言って笑った。



kimhs@donga.com