ユネスコ世界遺産である石窟庵と朝鮮の王宮だった景福宮。韓国を代表するこの文化遺産を世界に伝えるために、文化財庁は英語の説明を載せたウェブサイトを作った。しかし、いざ使ってみると英語を使う外国人は文化財庁の英語案内にアクセスできない。
外国人は「Gyeongbokgung（景福宮）」、「Seokguram（石窟庵）」の説明を探す際、インターネットで検索する。しかし、世界で最も多く使われるグーグルやヤフーのような検索エンジンでは、石窟庵を英語で検索しても、文化財庁のウェブサイトのコンテンツがヒットしない。ネットユーザーが作るウィキペディアや個人のブログが最初に出てくるだけだ。
理由は簡単だ。文化財庁がウェブサイトに対する検索エンジンのアクセスを遮断したためだ。外国人が見られるように作った資料を外国人が使う検索エンジンで検索できないように遮断することが日常茶飯事に起こっているのだ。
●「外国人のため」のはずが、外国人には見せない？
これは単に文化財庁だけの問題でない。国立中央博物館では、丙寅洋擾の時、フランス軍が略奪した韓国の世界遺産である「儀軌（uigwe）」が検索できず、国立国語院では、外国人のために作った韓国語教育サービスが検索できない。
東亜（トンア）日報の取材の結果、「インターネット大国」の言葉とは裏腹に、外国人のために作った韓国の多くのインターネット情報が、世界に対してドアに鍵をかけ、隠されていた。政府の英語ウェブサイトから韓流スター、輸出企業まで、事例も多彩だ。
韓流スター「ビッグバン」を検索しても、公式ウェブサイトは検索できない。文化財庁のように検索が遮断されているためだ。ビッグバンのアルバム（Big Bang discography）を検索しても、ビッグバンの所属会社であるＹＧエンターテインメントの公式資料ではなく、ファンが作った資料だけがヒットする。イーランド・グループも、米国での事業を展開し、「フー・アー・ユー」というウェブサイトを立ち上げたが、やはり検索できない。このウェブサイトは、現在改編作業中だ。
フラッシュというインターネット技術の過度な使用も、検索を妨害する。韓流スター「スーパージュニア」や、平昌（ピョンチャン）冬季五輪組織委員会は、写真や動画を使う技術であるフラッシュだけでウェブサイトを作り、検索ができなくなった。検索エンジンは文字があれば、これを読んで内容を把握するが、文字を一つも使わなかったためだ。最近、このウェブサイトは、フラッシュ使用を減らす方法で改編したが、検索エンジンにヒットするまでにかなりの時間がかかる。
●検索できない理由
インターネット情報を簡単に共有できる技術と制度を研究する淑明（スクミョン）女子大学ウェブ発展研究所は最近、４３の政府中央省庁のウェブサイトの検索アクセス性を調査した。その結果、４３省庁のうち１４省庁のウェブサイトが、外部検索エンジンのアクセスを完全に遮断していたことが明らかになった。
公開できない情報があるからではない。秘密の情報を扱う国家情報院は、国家情報院の役割などが検索できたが、国民に公開する生活情報が多い保健福祉部や女性家族部のウェブサイトは遮断されていた。
グーグルやネイバーなどの検索エンジンは、人が目でウェブサイトを見て、文字を読み、クリックするように、「ロボット」と呼ばれるプログラムを利用して、ウェブサイトを読み、索引に保存する。そして、後で検索語を索引から検索結果を表示する。
しかし、この過程で、検索エンジンが世界のすべてのウェブサイトを索引すれば、近い友人とだけ交わした情報も検索エンジンに露出し、個人情報が侵害される憂慮が生じる。このため、「ロボット排除標準」という約束が生まれた。ウェブサイトに「robots.txt」というファイルを作れば、検索エンジンがこれを「立入禁止の表示」と見なして、接近しないという仕組みだ。
問題は、韓国ではこのロボット排除標準が間違って使われることが多いという点だ。雇用労働部、環境部、女性家族部などの中央省庁だけでなく、国会や大法院（日本の最高裁判所に該当）もこの方法を利用して検索エンジンのアクセスを遮断した。国民に情報を伝えるために作ったウェブサイトが、検索を遮断するおかしなことが起こっているのだ。
淑明女子大学ウェブ発展研究所の文炯南（ムン・ヒョンナム）教授は、「国内のウェブサイトが外部検索を遮断するのは、以前は管理が下手で、個人情報まで検索されたために生じた過度な憂慮のためと見えるが、当然公開すべき情報まで一緒に遮断するなら、ウェブサイトを作った趣旨を生かすことはできない」と指摘した。
baltika7@donga.com sanhkim@donga.com
About Dong-A Ilbo