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脳たんぱく質調節でトラウマを消す、ソウル大研究グループが実験に成功

脳たんぱく質調節でトラウマを消す、ソウル大研究グループが実験に成功

Posted September. 06, 2012 08:59,   

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国内の研究グループが苦しい記憶を消すことができるという研究結果を発表した。一般的に犯罪や災害、戦争など衝撃的な経験は脳裏に深く刻まれ、一生の傷として残る場合が多い。ところが、記憶が保存される部位である「シナプス」のたんぱく質を調節すると、記憶を制御できるというのだ。

ソウル大学生命科学部の姜奉均(カン・ボンギュン)教授チームは5日、脳神経細胞間などに形成される結合部位のことを指すシナプスから記憶を思い出し、再度保存するメカニズムを解明したと発表した。

記憶は数秒から数十分間保持される短期記憶と数十年間保持される長期記憶に分けられる。このうち長期記憶は一度作られると、繰り返して思い出し、再び保存する過程を経て深く刻まれる。最初の記憶は脳の中で特定たんぱく質が合成されてシナプス構造が強固なもののになる時に作られる。

この記憶を思い出すためには、シナプスを硬くしたたんぱく質を分解する過程が必要になる。思い出された記憶はたんぱく質が再合成される時に再び保存される。記憶に新しい情報を追加したり修正する時も再合成が必要だ。

研究チームは、一連の過程で起きるシナプスの変化を研究するため、神経体系が単純なアメフラシ(学名 Aplysia kurodai)を利用した。アメフラシの尾を数度刺して、敏感な記憶を残した後、たんぱく質の再合成を防ぐようにした結果、記憶が消されるのを確認した。たんぱく質の分解を防ぐ物質を同時に使うと、阻害材を相殺して記憶は消されなかった。

研究チームは、たんぱく質の分解と再合成が同じシナプスで起きるために可能な現象だと説明した。これは記憶を初めて保存する部位と記憶を思い出して再び保存する部位とが一致していることを意味する。

姜教授は、「今度の研究結果は、悪い記憶を消したり良い記憶を維持することに応用できる」とし、「多様な動物実験で効能が確認されれば、性的暴行を受けた女性によく発生する心的外傷後ストレス障害(トラウマ)のような精神疾患の治療にも貢献できるだろう」と話した。

今度の研究結果は米国国立科学院会報(PNAS)8月14日付けのオンライン版に載せられた。



ilju2@donga.com