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「頼みの綱」中国経済に陰り鮮明、韓国には新たなチャンス

「頼みの綱」中国経済に陰り鮮明、韓国には新たなチャンス

Posted November. 05, 2012 09:09,   

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最近、在中韓国人らや留学生の間から、「為替相場が結構よくなっている」という言葉を、たびたび耳にしている。この数年間、ウォン安人民元高が続いてきた為替相場が、1元=175〜176ウォンへとウォン高元安が進んでからだ。

私が中国で仕事を開始した7年あまり前までは、為替相場は1元=110〜120ウォンで推移し、中国の物価水準も低いほうだった。しかし08年末に襲った米国発金融危機を受け、為替相場は一気に、1元=230〜240ウォンまでウォン安元高が進んだ。幸いなことに、危機は落ち着きを見せ、再びウォン高元安が進んだが、昨年までは、1元=185〜195ウォンだった。

さらに、中国政府が危機克服のために大量に供給した資金のため、不動産価格や物価が高騰した。両親に負担を与えたくないと、涙を流す留学生も多く、「いっそのこと、韓国のほうが増しだ」と帰る人も少なくなかった。在中韓国人や留学生らの暮らしは、厳しくなるばかりだった。

ところが、彼らを泣かせたウォン安元高だが、このごろ、目立ってウォン高元安が進んでいる。中国の経済事情が芳しくないからだ。上海では、食事のために数日前から予約しなければならなかったいくつかの飲食店が、最近、簡単に席を取るようになり、デパートやショッピングセンターは、閑散としている。失業率が高まり、政府税収が減少しているという報道も、簡単に接している。中国は、成長エンジンのひとつの柱を、内需景気から求めていると主張しているが、内需がよみがえる兆しは見えない。中国人は、金そのものを取り出すことができないよう、ポケットを針で縫っているような気がする。

指標から見た中国実体経済の景況感も悪い。中国の実体経済をもっともよく反映している補助指標の製造業PMI指数は、基準値50を下回っている。電力使用量や鉄道貨物運送量、銀行新規融資指標も、軒並み暗いばかりだ。9月の電力使用量は、前年比2.9%の小幅な延びにとどまり、40ヵ月ぶりの最低値を更新しており、8月の鉄道貨物運送量は、前年比7.97%下落し、09年以降初めてマイナス成長へと転じた。9月の人民元の新規貸し出しも同様に、計6232人民元と、市場の予測値を大幅に下回っている。

そんな中、欧州財政危機に対する中国政府の姿勢も、4年前のそれとは相当変わっている。思い切った財政政策はなく、それぞれ2度の公定歩合や金利引き下げの通貨政策のみ実施した。政権交代を控え、物価上昇を懸念し、政府が財政を供給することに二の足を踏んでいるからだ。中国も、インフレに敏感な国だからだ。

元安が進んでいるのは、中国経済は相対的に悪化している証拠でもある。そのため、在中韓国人らが、元安を喜ぶ姿を見れば、一方では物足りない気もする。韓国経済は、中国経済が低迷すれば、一緒に低迷する構造となっている。カナダは、米国があってこそ、先進国入りを果たすことができた。韓国も中国があるからこそ、より多くのチャンスを手にすることができる。両国の経済関係をてこにすれば、小さいが強い国へと成長できるはずだ。

もちろん、中国経済が、頼りにならないほどだめになっているわけではない。前向きな経済指標もいくつか発表されている。経済専門家らは、「上半期(1〜6月)、中央銀行が踏み切った公定歩合や金利引き下げなどの通貨政策が、徐々に効果を見せ始めている」とし、早ければ第4四半期(10〜12月)から、景気が持ち直しを見せるだろうという予測を発表している。

国内外の環境上、経済が好転する時期が遅れかねないことを考慮しても、大半の経済専門家らが、13年の国内総生産(GDP)伸び率を7.5〜8.0%と見込んでいることから、来年は、今よりさらに悪化することはないだろう。また、中国の政権交代が終われば、中国が使える財政や通貨政策の手段にも余裕が生じるだろう。

世界や中国が賢明に、経済危機を克服することを願う。海外に暮らしていれば、心配事は増え、愛国者になるような気がする。