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「お年寄りはITが苦手?」進化する高齢者のデジタル化

「お年寄りはITが苦手?」進化する高齢者のデジタル化

Posted April. 15, 2008 03:08,   

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あるクリスチャンは、スライドに書かれた李氏の名前だけを見て「うちの教会にこれほどスキルの高い、若い女性がいたのか」と感嘆した。李氏は、「暇を見つけてはコツコツ身に付けた情報技術の知識のおかげで、70歳を過ぎても若い女性だと思われる」と喜んだ。

若者の占有物と思われたデジタル・カメラ、MP3プレーヤーなど各種デジタル機器に対するお年寄りの関心が、ここへ来て目に見えて高くなっている。

●「私たちもカメラ付きのケータイやMP3、使えるよ」

「お年寄りはカメラ付きのケータイを使わないという考えは偏見です」

LG電子で老年層向けの携帯電話、「ワインホン」の開発に取り組んでいる首席研究員のユ・イル氏は、昨年6月に発売したこの製品をアップグレードするため、アンケート調査を実施してみた。その結果、お年寄りも若い世代に負けず劣らず、携帯電話のデジタルカメラ機能を使いたがっているという事実に驚かされた。老人向けの「シルバーホン」からデジタルカメラ機能を無くしている携帯電話メーカーの生産戦略の見直しを迫る調査結果である。

ソウル恩平区仏光洞(ウンピョング・プルグァンドン)に住む金スンニョ氏(62・女)は、「孫のかわいい姿をデジカメで取るのが大きな楽しみだ」と話す。

携帯電話だけでなく、お年寄り向けのMP3プレーヤーも開発された。

昨年11月、KAISTのペ・サンミン(産業デザイン科)教授は、お年寄りのためのMP3プレーヤーを開発した。ペ教授は、お年寄りも簡単に操作できるように機能を単純化し、ボタンの数を大きく減らした。

このようにデジタル機器に対するお年寄りの需要が拡大したことを受けて開設した専門講座も、狙い通り盛況だ。

京畿道安山市(キョンギド・アンサンシ)のお年寄り向けの情報技術(IT)教育機関である「ウンビッドゥンジ(銀色の巣という意)」では、06年3月、お年寄りを対象にデジカメ・クラスを開設した。30名の定員で7ヵ月間授業を進めるこのクラスは、毎回締め切りを早めざるを得ないほど人気が高い。

最近は動画ブームまで起こり、ビデオカメラのクラスが別途開設された。

●「パソコンを学んだのが、一生の中で一番自分がよくやったと思えること」

「孫たちが夜通しパソコンするのを見て、私も一度やってみたいと言ったら、『おばあちゃんは駄目』って言われたの。その言葉にむしろ刺激されて、77歳にしてパソコンを習い始めたのよ」

ピョン・ヨンヒさん(85・女)は、ウンビッドゥンジで活動しているお年寄りの中でも最高齢である。ピョンさんは、パソコンを学び始めてから7年で、若者でも難しい「プレミア(動画編集プログラム)」を自由自在に使いこなす。

チョ・ギョンスクさん(80・女)は、餅屋を営む息子のために、注文専用のホームページを立ち上げた。チョさんは、パソコンを学ぶ楽しみにすっかりはまっていて、最近も夜の12時までキーボードを叩いている。

一緒に授業を受けた金グンヒさん(70・女)は、英国で留学している息子と連絡する時、少しでも通話料を節約するためにチャットを学んだのが、パソコンと出会ったキッカケになった。

金さんは、「海の向こうの息子にチャットで鶏肉の炒め物の作り方を教えるのが生きがいになった」とし、「私の人生の中で、自分なりに一番よくやったと思えるのは、パソコンを学んだこと」と話す。

ウンビッドゥンジのラ・ヨンス院長は、「お年寄りはデジタルが苦手という一般の考え方は偏見だ。お年寄りに対するデジタル教育を強化し、一刻も早く世代間のデジタル・デバイド(情報格差)を埋めるすべきだ」と強調した。



sukim@donga.com kini@donga.com