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大学同窓生に拉致され80日間監禁された資産家解放

大学同窓生に拉致され80日間監禁された資産家解放

Posted May. 22, 2008 09:05,   

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独り暮らしで数百億ウォンを持つ資産家が、大学の同窓生が加わったグループに拉致され約80日ぶりに自由の身になった。拉致グループは、拉致した資産家の不動産を担保に、78億ウォンを融資してもらい、30億ウォンの預金を奪った。

▲拉致から解放まで〓A氏(53)が拉致されたのは3月1日。A氏は同日、大学同窓生の李某(53)容疑者と李容疑者の紹介で知り合った金某(50)容疑者らと一緒に、ソウル江南区鴨鴎亭洞(カンナムグ・アプグジョンドン)の食堂で夕食をした。食事が終わった後、「梨泰院(イテウォン)にいいクラブがあるから、一杯飲もう」と李に誘われたA氏は、金が運転する車に乗って、梨泰院へ向かった。

梨泰院に到着した時「飲み物を買うから、車を止めて」という李の言葉に金が車を止めると、待機していた2人が車に乗り込み、李らと一緒にA氏を拉致した。

李らは、以後、約2ヵ月間、A氏を連れ、ソウル江南と忠清南道天安(チュンチョンナムド・チョンアン)一帯のホテルに泊まり続けた。また、拉致の事実を隠すため、A氏を脅し、妹に1週間に1〜2回ずつ、「ビジネスの投資のため、忙しい。元気に過ごしているから、心配するな」と電話をかけさせていた。

同グループは続いて先月24日、A氏の不動産を担保に78億ウォンを融資してもらい、翌日にはA氏の口座から30億ウォンを金の口座に振り込ませた。

しかし、同グループの犯行は、普段、午後電話をかけていたA氏が2ヵ月間ずっと朝電話をかけるのを不審に思った妹が、「兄に何かトラブルが起きたようだ」と警察に届け出て、徐々に明らかになった。

警察が追跡していることに気づいたグループは、先週、A氏に強制的に麻薬を投与し、「通報すると、麻薬で警察に逮捕される」と脅迫した後、20日、ソウル江南区道谷洞(ドゴクドン)のA氏の自宅近くの道路でA氏を解放した。

▲A氏は誰?〓運輸会社を運営した親から巨額の遺産を相続したA氏は、不動産事業などを通じ、財産を数百億ウォンにまで増やしたという。離婚後、家政婦もなしに独り暮らしをしてきたA氏は、子どもがおらず、妹と管理人を除けば、交流していた人もいなかったようだ。

誘拐犯の李容疑者とは大学の同窓生で、1999年、自宅で5ヵ月ぐらい一緒に暮らした。警察関係者は「通貨危機当時、李容疑者が事業に失敗して、2人で一緒に暮らしていた。それから2人はよく会って、お酒と食事をした」と話した。

▲警察の捜査〓警察の捜査結果、李容疑者は2月、A氏に共犯の金容疑者を紹介するなど、犯行を緻密に準備してきたことが分かった。李容疑者は2月、京畿道龍仁(キョンギド・ヨンイン)にある200億ウォン相当の土地を売ろうとしたA氏に、「知り合いのお金持ちだ」と金容疑者を紹介した。しかし、20日、警察に出頭した李容疑者は、警察で、「自分はA氏の誘引に加担しただけで、監禁には関わっていない」と主張した。

これに対して警察関係者は、「詐欺の前科などを含めて前科10犯の金容疑者をお金持ちだと騙して紹介した点などから見て、李容疑者が犯行を主導した可能性が高いと見られる」と述べた。

警察は李容疑者らに対して、21日、人質強盗の疑いで逮捕令状を申請する一方、15日、フィリピンに逃走した共犯6人に対しては出国禁止措置を取るなど、検挙に乗り出した。

警察はまた、李容疑者グループが不法融資をする過程で、別の共謀者がいるかどうかについても捜査を進めている。

警察の関係者は、「金容疑者がA氏になりすまして融資してもらう際、内部の共謀など他の犯罪行為があったかどうかを把握するため、当該金融機関に対しても捜査を行う方針だ」と述べた。



alwaysj@donga.com