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「タリマカシ」、ハングルを使うインドネシアの島

「タリマカシ」、ハングルを使うインドネシアの島

Posted August. 07, 2009 08:19,   

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インドネシアの少数民族が、世界で初めてハングルを公式文字として導入した。ハングルが海外で公式に普及されたことを受け、科学的表音文字(人の声を記号で表す文字)であるハングルの優秀性に再び注目を集めている。

6日、社団法人「訓民正音学会」によると、インドネシアのスラウェシ州・バートン島・バウバウ市にある少数民族「チアチア族」の土着語を表記する公式文字として、ハングルの導入を決め、ハングルによる文字教育を開始した。同市は先月21日から、チアチア族の密集地域のソラオリオ地区の小学生40人余りを対象に、ハングルで書かれたチアチア語の教科書を配り、週4時間ずつ授業を始めた。また、一部の高校でも毎週8時間ずつ、韓国語の初級教材で韓国語を教えている。チアチア族らに普及された教科書では、手は「ウリマ」、足は「カケ」、傘は「パウ」などと表記されている。

人口6万人あまりの少数民族のチアチア族は、独自の言語は持っているが、文字がなく、固有語を失う危機にあった。このニュースを聞きつけた訓民正音学会関係者らが、バウバウ市を訪れ、ハングル採用を提案し、昨年7月、ハングル普及に関する覚書(MOU)を交わした。さらに、ソウル大学の李豪榮(イ・ホヨン)教授(言語学)の主導で作られたハングル教科書を普及させた。今後、この地域でハングル教育が定着し、常用化されれば、ハングルが海外に伝播された初事例となる。

同学会の「ハングルの世界化事業」は昨年5月から始まっており、これまでハングル学会は中国𩩲龍江省やタイ、ネパール奥地の少数民族に対し、ハングルを伝播しようと試みたものの、成功しなかった。しかし、バウバウ市が公式にハングル教育を開始したことを受け、ハングルの優秀性が証明されたと学会では評している。

訓民正音学会の会長を務めているソウル大学の金周源(キム・ジュウォン)教授(言語学)は、「文字を持っている民族と持っていない民族との文化的力量は著しく差がある」とし、「この事業が成功すれば、我が民族や国家ブランドの価値向上にも大きく役立つだろう」と語った。

教科書の編纂を主導した李豪榮教授も、「ハングルは、文字を有していない民族が民族のアイデンティティや文化を保存するのに大きく役立つだろう」と語った。



constant25@donga.com