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韓国の地震対応能力「ハイチに近い」 専門家グループが評価

韓国の地震対応能力「ハイチに近い」 専門家グループが評価

Posted March. 02, 2010 09:42,   

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チリで起きた大地震は、今年1月、ハイチで起きた地震より強さは500倍も大きかったが、死亡者は700人あまりと、ハイチでの死者23万人に比べればはるかに少なかった。世界の地震専門家らは、「地震災害による死亡者は、ほとんどが地震の衝撃によるものではなく、建物の崩壊や火災などの2次災害で発生する」とし、「チリは、建物の耐震設計などの地震対応システムの面で一段と進んでいるため、被害規模に違いが出たようだ」と口をそろえた。

韓国の地震対応能力は果たしてどうだろう。東亜(トンア)日報が1日、国内の6人の地震・防災専門家らを対象に取材を行った結果、「建物の耐震設計や社会的対応システムの一部は、ハイチのレベルに近いほど、脆弱だ」という回答が多かった。

まず、耐震設計の比率が、建築物10棟中2棟にも及ばないことが、最大の問題点として指摘された。消防防災庁やソウル市などによると、全国の建物のうち、耐震設計を適用したのはわずか18.1%だった。ソウル市内の建物や1〜4号線の地下鉄区間の耐震設計の比率は、それぞれ9.8%と11.0%に止まった。

消防防災庁のチョン・ギルホ研究官は、「マグニチュード6.3の地震が首都圏で発生した場合を想定して分析してみた結果、1470棟の建物が倒壊し、1100人余りが死亡するという結果が出た」と明らかにした。

地震に対する社会的対応システムも脆弱だ。三星(サムスン)防災研究所の李ホジュン首席研究員は、「大地震が発生すれば、韓国は今のチリよりさらに混乱に陥るだろう」と見込んだ。李研究員は、「日本などの先進国は、地震発生後、都市内で発生する火災や停電、道路崩壊などの『ドミノ災難』に対し、迅速に食い止め、復旧作業を行う業務連続性計画(BCM)が樹立されているが、我々はそれができていない」と指摘した。

延世(ヨンセ)大学・地球システム科学学部のホン・テギョン教授は、「地殻プレートの内側に位置しているわが国は、地震の危険はほとんどないと思われるが、これまでの観測記録だけを基に、安全を確信するのは無理だ」と強調した。

全南(チョンナム)大学の金性均(キム・ソンギュン)名誉教授(地球環境科学学部)は、「経済性を考慮せず、かたっばしから耐震設計をすべきだというのは、代案になりえない。地震の危険に対する国民の関心や教育水準を今より引き上げなければならない」と話した。



nex@donga.com