Go to contents

「警察だ!」の一言に賭博場パニック

Posted July. 30, 2012 07:55,   

한국어

17日午後8時30分頃、京畿道広州市草月邑大雙嶺里(キョンギド・クァンジュシ・チョウォルウプ・テサンリョンリ)のある田園住宅で、50、60代の主婦たち集まった。ワゴン車で来る人や、自家用車、タクシーに乗って来る人もいた。30人ほど集まると、座って花札を配った。数年前から賭博場で知り合った彼女たちは、「オヤ」のイ容疑者(61・女)が準備したこの田園住宅で、先月から時々集まった。イ容疑者は、家の持ち主に賃貸料として1日30万ウォンを払った。

賭博の種類は俗称「トリジッコテン」だった。オヤが花札20枚を5枚ずつ4札に分けて配り、参加者は気に入った札に金をかけ、オヤと勝負する方式だった。それぞれ賭博資金は数十万ウォンから100万ウォンほどだった。

盛り上がってきた10時14分、パク容疑者(69・女)が「体調が悪い」と先に席を立った。パク容疑者は家を出て、大通りに向かっている時にパトロールカーがやって来るのを見た。「取り締まりだ」と思ったパク容疑者は、すぐに携帯電話で賭博場にいたもう一人のパク容疑者(64・女)に「警察のパトカーが行く」と伝えた。これが悲劇の始まりだった。

電話を受けたパク容疑者が「警察が来る」と大声を上げ、賭博場は一瞬にしてパニックになった。彼女たちは、金と服を持って、靴もはかずに家の裏に通じる台所とベランダの窓に押し寄せた。オヤのイ容疑者は、大人の胸の高さほどの台所の窓から出ようとして、体が窓から半分ほど出た瞬間、バランスを崩して落ち、首の骨を折った。窓から抜け出した彼女たちは、暗くて高さも確かめずに鉄の欄干を越え、擁壁から飛び降りた。擁壁の高さは4.6メートル。彼女たちは、腰と折れた足を押さえながら、大声を上げた。ペク容疑者(64・女)は飛び降りた際、高さが6.1メートルもあるセメントのマンホールに落ち、その場で命を失った。

しかし、大騒動になったにもかかわらず、警察は賭博場には来なかった。パトカーは住宅から約600メートル離れた村に出動する途中だった。「酒を飲んで暴れている」という通報のためだった。

警察が来ず、騒動は静まったが、すでに事が起きた後だった。状況を収拾すべきオヤのイ容疑者は重傷を負い、擁壁から飛び降りた10人も骨折した。亡くなったペク容疑者は、午前0時58分に遺体が発見された。大ケガをした4人は病院に搬送され、このうち3人は手術まで受けた。腰の手術を受けた女性は、警察に摘発されるのを恐れ、手術後1日で退院し、姿をくらました。

遺体をどうするか悩んだ彼女たちは、賭博の事実を隠すために、賭博の前科のない3人に命じて、警察に虚偽の自首をさせた。彼女たちは警察で、「夕食を食べて遊び半分で花札をしたが、タバコを吸いに外に出たペク氏が戻ってこないので探してみると、亡くなっていた」と供述した。

しかし、嘘はすぐにばれた。主人もいない家で花札をしたという話を疑った警察が追及すると、あえなくすべてを自白した。警察の取り調べの結果、オヤのイ容疑者は、京畿道城南(ソンナム)や広州(クァンジュ)などで賭博場を開いてきた。「ムンバン(見張り)」、「チクセ(賭博犯)」、「パッカス(飲料水販売者)」など役割を与え、賭博場を開いてきたことが明らかになった。京畿道広州警察署は、事故当日、賭博場にいた28人の身元を確認して立件し、イ容疑者らに逮捕令状を申請する方針だ。



bibulus@donga.com