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認知症の80代をなぜ一人で山に放置したのか

認知症の80代をなぜ一人で山に放置したのか

Posted October. 20, 2012 07:29,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領の姻戚のイ・グンイ氏(87)が行方不明となってから5日目となっているなか、警察はこれと言った手がかりをつかめずにいる。大規模な捜索を行っている慶尙北道(キョンサンブクド)・青松(チョンソン)警察署は19日から、捜索人数を1日70人から300人あまりへと増やし、捜索範囲も5キロから10キロへと拡大させている。イ氏が最初の行方不明地点から遠くへと離れた可能性があると判断したからだ。

イ氏の行方を捜すのが難しい理由は、その周辺の里山が大変険しい上、深い谷間が多いからだ。この地域は里山であるが、普通の勾配が60〜70度を越えており、大人も簡単に登るのが難しい地域だ。警察の関係者は、「さらに時間が経つことになれば、イ氏の生き残りの可能性が下がるだろうと見て、ヘリまで動員して、捜索を行う計画だ」と語った。

イ氏の行方は依然分かっていない。事件当日のほかは、これといった目撃者や目撃情報もない。警察の一部からはなぜ、家族が認知症を患っている80代の年寄りを、一人で山に放置したがという疑問が持ち上がっている。また、大人も登りづらい山で、イ氏が見つかっていないことは、誰かによって連れ去られたためではないか、という推測も出ている。

同日、記者が訪れた最初の行方不明場所のマツタケ農場の小屋は、標高約300メートルのところに位置している。高くはないが、勾配が激しく、数歩踏み出しただけで、すぐ息切れがする。あるところは手で木を握ったり、土に手をついたりしながら登らなければならないほどだ。村のある松江里(ソンガンリ)までの往復には1時間ほど掛かった。イ氏の家族は、数十年前から、毎年この時期になると、マツタケの採集のために小屋を立てて、1ヵ月間暮らしてきたという。周辺の里山は、イ氏の所有だという。

ビニールテントで作られた小屋は、約30平方メートル(9坪)の広さであり、就寝はもとより、炊事のスペースもある。周辺は数歩歩いただけでも、いたるところが崖となっている。イ氏は15日午前、家族らが生活必需品を買いに行っていた間、ここから姿が消えた。

警察の関係者は、「イ氏の様子の映っている防犯カメラのある村は、小屋から南のほうに約1時間ほど離れている」とし、「イ氏は村まで降りてきており、村で犯罪に会った可能性も排除していない」と語った。



jang@donga.com