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平澤への米軍基地移転、山越え山

Posted May. 05, 2006 03:18,   

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京畿道平澤市(キョンギド・ピョンテクシ)への米軍基地移転の反対勢力の拠点となっている彭城邑大秋里(ペンソンウプ・テチュリ)の大秋分校が4日に撤去され、拡張される基地周辺に鉄条網が設置された。これにより、難航を来たしていた米軍基地移転事業は大きな峠を越えた。

国防部と警察が乗り出し、強制撤去と移転地域の鉄条網の設置作業を強行する際、流血衝突まで起こったことは、政府と反対勢力いずれにも責任がある。

国防部は、米軍基地移転の過程で住民移転対策を早期に樹立できず、広報の面でも十分ではなかった。実際に国防部は、平澤市と京畿道側が数回に渡って建議した末、一足遅れて平澤支援特別法を制定し、詳細な移住対策も先延ばしにしてきたのが事実だ。警察も、厳正な法執行に消極的で、問題を大きくしたという批判が出ている。

警察関係者は、「昨年末の農民デモで、許准栄(ホ・ジュンヨン)警察庁長官が制服を脱ぐことになり、正当な公権力の行使をためらうムードができたのは事実だ。大秋里の事態も、積極的な対処よりは、一歩退いたような立場だった」と述べた。

これは、政府だけの過ちではない。反戦反米の人々は、故郷に住みたいという一部住民に近づいて、平澤米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会(汎対委)をつくり、反米戦線を誘導して政治闘争の場にした。

峠は越えたと言うが、残された問題は少なくない。一部住民は、大秋分校の撤去と関係なく、ここで農業を続けるという意志を固めた。汎対委も、町内会館2階の状況室を中心に、闘争を続ける立場を明らかにした。まだ火種は消えていない。

国防部は、米国側とともに9月までに基地移転の施設総合計画(マスタープラン=MP)の作成を終える予定だ。10月に予定された基地基盤工事の着手のため、環境影響評価、地質調査、文化財試掘調査、測量などを早期に進める方針だ。

環境影響評価は当初、平澤基地移転地域の協議買収が終わる昨年12月に実施する予定だったが支障を来たしたため、これまで手がつけられていない状況だ。

基盤工事が完了すれば、07年4月から08年12月までに施設工事をすべて終え、09年から米軍が同地域に移転することになる。しかし、米国側が韓国に返還する米軍基地の環境汚染の改善費用や平澤基地の盛土作業の費用負担をめぐり、葛藤も予想される。

莫大な費用がかかるため、いずれも簡単には譲歩しないものとみられ、米軍基地移転は予定より1、2年遅れる可能性も、完全に排除できない状況だ。



mhpark@donga.com bibulus@donga.com