李明博(イ・ミョンバク)大統領がウォン相場の急落事態に関連して8日、「ドルを買い付けている企業があるのならば、考えを変えなければならないだろう」と警告した背景には、国家情報院(国情院)の情報報告があったとされる。
14日、情報当局と企業関係者らによると、国情院は先週、国内の最大手4企業などを回りながら企業による為替投機の実態について調べ、大統領府に報告したが、李大統領の「企業による買い付け」発言はその後に出たものだという。
国情院は、その後、4企業を中心に為替レートの防御に参加して欲しいという大統領のメッセージを伝えたものとされる。
実際、4企業の一つであるA社の役員によると、国情院・経済団の関係者が9日ごろに会社を訪ね、「B社は自分たちが持っているドルを市中に流さなかった」「ドル買い付けの疑惑がもたれているのはB、C、D社らしいが知っているか」「A企業は保有しているドルがどの程度なのか」などと質問していた。
A社の関係者は、「李大統領が『企業のドル買い付け』疑惑を持ち出し、B社が市中にドルを流す前だったので、通常の言葉として受け止められなかった」と話した。
国情院の関係者は、これについて「国情院が為替市場の安定に寄与したなら、情報機関としてのプラスの機能を発揮したのではないか」との認識を示した。
しかし財界の一部では、国情院が最近、何社かの公企業と民家企業を対象に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代に行った市民団体への支援明細を求めた経緯があり、国情院の職務範囲を巡る問題を提起している。
張游植(チャン・ユシク)弁護士は、「国情院の職務範囲は国情院法の第3条1項1号に、国家情報および国内安保情報(対北朝鮮、対政府転覆、防諜、対テロおよび国際犯罪組織)の収集、作成、配布などと規定している」と述べ、「防諜業務の一つとして産業スパイを洗い出すために企業を相手に情報を収集する程度までが国情院の職務範囲だ」と話した。
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