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韓国、北朝鮮に食糧支援を提案 トウモロコシで「軍転用」の批判回避

韓国、北朝鮮に食糧支援を提案 トウモロコシで「軍転用」の批判回避

Posted October. 27, 2009 08:27,   

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韓国政府が、北朝鮮へ人道的な食料支援を提案した。千海成(チョン・ヘソン)統一部報道官は26日、「大韓赤十字社を通じ、北朝鮮の朝鮮赤十字社に乳幼児と妊婦などの社会的弱者に向け、トウモロコシ(外国産)1万トン、粉乳20トン、医薬品の支援意思を電話通知文で送った」と明らかにした。

今回の提案は、北朝鮮が今月16日に開かれた南北赤十字社間の実務協議で、人道支援を正式に要請したことに応えたものだ。政府は、支援に必要な40億ウォンを南北協力基金から当てることを決めた。北朝鮮が受け入れれば、昨年の李明博(イ・ミョンバク)政権発足以来、政府レベルでの初の対北朝鮮食糧支援となる。政府は昨年5月、北朝鮮にトウモロコシ5万トンの支援を提案したが、北朝鮮はこれを拒んだ。

過去、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の両政権下で、毎年30万〜40万トンを借款で提供してきたことからすれば、李政権としては、支援品目や量を決める上で、多分に国内保守派陣営の批判を意識した模様だ。特に、北朝鮮に送ったコメが、軍用に転用されたという、これまでの批判を避けるため、転用される可能性の低いトウモロコシを選んだ。成人でない乳幼児が、食べられるようにしたいという意志も伺える。

千報道官は、支援の規模について「1万トンが少ないとは思わない」と言いながらも、「北朝鮮の食糧難を考慮したとき、十分ではない量だ」と述べた。今が、秋の収穫時期で、今すぐ深刻な食糧難に見舞われるわけではないという点も考慮したとみられる。政府は、小規模の支援を行う代わりに、人道支援の条件である配分の透明性について、今回は厳しく問わないことを決めた。

北朝鮮は、韓国側の提案を受け入れる可能性が高い。今年は、水害や冷害などで作況が良くない上、国際社会の北朝鮮制裁で、食糧を輸入するドルも足りないものとみられているからだ。

政府は、今後、人道支援を南北関係の進展に向けたレバレッジに活用したい考えだ。このため、今後、韓国内世論の動きや、米朝対話の推移などを睨みながら、支援を拡大していく可能性が高い。

東国(トングク)大学の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「年末に政府が北朝鮮の食糧事情を分析した上で、大規模の食糧支援に踏み切る可能性が高い」との見方を述べた。



zeitung@donga.com