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「エリート教育」反対の革新派教育監が大挙当選、李政権の教育政策に暗雲

「エリート教育」反対の革新派教育監が大挙当選、李政権の教育政策に暗雲

Posted June. 04, 2010 07:53,   

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李明博政権の教育政策に赤信号が灯った。数字上では保守派の教育監当選者は10人と、進歩派の教育監より4人も多い。しかし、京畿道(キョンギド)はもとより、ソウルまで革新派の教育監が陣取ることになり、教育当局には負担にならざるを得ない。教育界では、「『少数のためのエリート教育』を大幅に見直さなければ、激しい抵抗にあうことになるだろう」という見方が多かった。

●300対300

今回の選挙前まで、全国教育監16人のうち、政府政策に立ち向かって反対の所信を明らかにした候補は、京畿道の金相坤(キム・サンゴン)教育監一人だけだった。教育監を巡る選挙は、現職という肩書きの持つ影響力が強く、今回も勢力図はさして変わらないだろうという見方が多かった。しかし、現職教育監のうち5人が落選し、革新派教育監らが全面に陣取ることになった。

特に彼らは、自律型私立高校(自律高)の拡大を中心とした「高校自律化300」プロジェクトをターゲットに反対運動を行っている。彼らは、「自律高校は、経済力上位50%内の生徒らのための貴族学校だ」と反対している。その代わりに、少数の人員を対象に、学校別、地域別の特性によって適合型教育を実施する「革新学校」を、その代案として示している。

京畿道の金相坤(キム・サンゴン)教育監は現在、33校の革新学校を200校に増やすという計画を発表し、郭魯鍱(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監当選者も、「革新学校300プロジェクト」を主要公約に掲げた。革新学校の支持者らは、「我が教育はすでに、競争が頭打ちの状態なのに、現政権は無限競争だけ導入しようとしている。これに対する代案モデルこそ、革新学校だ」と強調している。

これに対して教育科学技術部(教科部)の関係者は、「自律高校の政策や革新学校は政策の方向性が異なる」と、即答を避けた。しかしある教育学者は、「革新学校は、『成績よりは適性』、『協同・討論授業』、『過程中心の質的評価』などを強調している。これは、『成績公開後、順番を決める』ことが中心の現政策とは真っ向から対立するものだ」と言い、「革新学校は、教科部と進歩教育監との主要な対立事項となるだろう」と話した。

●全教組教師の処分、最初の対立事項となる模様

今回の選挙結果を巡り、教育当局の「全教組への過度な締め付け」に対する反発で、革新派教育監が多く当選したという見方も聞こえている。光州(クァンジュ)の張輝國(チャン・フィグク)や江原(カンウォン)の閔丙熹(ミン・ビョンヒ)教育監当選者は、地元の全教組支部長出身だ。二人とも、現職教育監を抑えて当選された。彼らは選挙期間中、「李明博政権の特権教育を審判する」と声高に叫んだ。郭魯鍱ソウル市教育監当選者も、1日、自分のツイッターに、「明日は、狂った教育を正す日」と明らかにし、政府への審判論を掲げた。

彼らと教科部との最初の「力比べ」は、民主労働党への加盟容疑がかかっている全教組所属の教師らへの処分問題から始まる見通しだ。先月、教科部は、民主労働党への加盟や後援金支払いの容疑で起訴された教師134人に対し、解任や罷免を、先月に決定した。しかし、教師への処分権は市道教育監にある。革新派教育監らは、処分を拒否することもありうる。

教科部の関係者は、「昨年政治宣言を行った教師への処分に乗り出した時、金相坤教育監だけが反対した。一人だけ反対したため、検察への告発も可能だったが、6人が同様の意見を持ち出すと、容易ではないだろう」と話した。

一方、教員評価は、政府方針通りに推進することにたいした問題はないだろうという見方が多かった。保護者らの間では教員評価を巡り、前向きな声が多かったため、法的な裏づけのない制度とはいっても、教育監が思い付きで拒否意思を明らかにするのは難しいという理由からだ。

●教科部の内部でも「反省が必要」

最終的な開票結果が明らかになり、教科部の職員らも動揺している。教科部の職員らは、庁舎のいたるところに、三々五々と集まり、「エリート教育は、行き詰まっていると見るべきだ」、「保守的有権者らも、現在の教育政策に背を向けたようだ」と言葉を交わした。「現政府への審判論」が、教育政策にも押し寄せたのである。

教科部のある関係者は、個人的意見であることを前提に、「李元熙(イ・ウォンヒ)ソウル市教育監候補は、韓国教員団体総連合会(韓国教総)会長出身にもかかわらず、落選した。ところが、全国教職員労働組合(全教組)支部長出身が2人も当選したのは、意義深いことだ」と言い、「正直、我々が推進する政策が、果たして正しい方向に向かっているのか疑わしくもある」と話した。

韓国教総も同日論評を通じ、「今回の選挙結果は、一方的な独走方式の教育政策推進への厳しい中間評価だ」とし、「なぜ、このような選挙結果が出たのか、(政府とハンナラ党の)心のこもった反省を通し、改善が伴われるべきだ」と声を高めた。



kini@donga.com