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米、戦争計画を漏らし高度な心理戦争

Posted September. 01, 2002 21:54,   

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米国はイラクを攻撃するだろうか。

ブッシュ米大統領が今年1月28日の年頭演説で、イラクを「悪の枢軸」の1国と定義付けたことによって、世界は7カ月間にわたって米国のイラクへの攻撃可能性について神経をとがらせてきた。しかし、米マスコミの報道をみると、この質問は愚問だ。米マスコミではすでにイラク戦が始まっている。

ワシントンポスト紙は5月24日、米国が20万人の兵力を動員、空襲と特殊作戦でイラクのフセイン政権を無力化する内容の戦争計画を報じた。ロサンゼルスタイムズ紙も6月23日、クウェートからイラクへ米軍25万人が進撃する戦争計画を報道した。

戦争計画報道の決定版は、7月5日付のニューヨークタイムズ紙。同紙は「米国はイラクの南・北・西方など3方面から、計25万人に上る陸・海・空3軍が同時に攻め込む作戦計画を打ち立てた」としたうえで、中部司令部の『行動計画』を紹介し、具体的な戦争計画を初めて暴露した。同紙によると、中部司令部は海兵隊と歩兵をクウェートに進撃させると同時に、数百機の戦闘機が、トルコ、カタールなど8カ国の基地から発進し、イラクの空港、鉄道、光ケーブル通信網を掃討する作戦計画を立てている。ニューヨークタイムズは、5日後の7月10日には、米国がイラク攻撃の前進基地としてヨルダンを利用する方策を検討しているとの速報を伝えており、今月29日にはバグダッドを先に掃討する細部計画を報じた。1カ月の間に3回もニューヨークタイムズ紙が米軍の第1級秘密にもとづいた戦争計画を報道したのだ。

ブッシュ大統領やラムズフェルド国防長官が「依然として開戦いかんを決定していない」と述べている間に、米マスコミではすでにイラク戦による経済的損失についてまで報道されている。

ラムズフェルド国防長官はこうしたマスコミの報道に激怒し、真相調査を指示する一方「秘密情報の流出は、テロリストらの行動を阻止すべき国家の能力を阻害し、米国人らの生命を危くしている」と、警告するメモを7月12日、国防総省の幹部職員宛てに送ったが、このメモさえも2日後にロサンゼルスタイムズ紙に報道された。

税金や社会福祉政策でなく軍事計画の詳細がこのように流出するのは極めて異例のケース。表から見ると国家が秘密管理を到底行えずにいる「無政府的」な状況だ。しかし、秘密を漏らしているのが誰かによって、その性格は異なって来る。

クリントン政権時代、ホワイトハウス報道官を務めたマッカリー氏は「(政府の)意図的な流出」だとし「(流出で、戦争計画が頻繁に伝えられるようになれば)大統領が国民に多くの犠牲を伴う決定を突然くだしたとは誰も言えなくなるだろう」と述べた。

フーバー研究所のキス・エイルラー研究員は「欺まん戦術であり、心理戦の一つの側面だ」との見方を示した。同研究員は第2次世界大戦の当時、連合軍がドーバー海峡を即時渡ってフランスに進撃するとの情報を漏らした後、フランス南部のノルマンディに上陸、ドイツ軍を振り放したように、米政府が意図的に虚偽情報を漏らしているのだと話した。

米国がイラク戦に突入するためには時間が必要だ。アフガニスタンでの空襲で消耗した衛星誘導の合同直接攻撃爆弾(JDAM)を再生産し、20万人の地上軍をイラク周辺に展開させるためには少なくとも6カ月から1年余の時間が費やされる。それまでの間、戦争計画を故意に流出させ「バグダッドの眠れぬ夜」を醸成することによって、戦争の効果を得ているのだ。

しかし、米外交協会のイラク専門家、ケネス・ポールラク研究員は「攻撃いかんではく、どのように攻撃すべきかについて論議するのは誤っている。戦争計画の流出は、実際の戦争の時、兵士らを危くする」と指摘した。



洪銀澤 euntack@donga.com