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「スカボロ紛争海域、中国が人海戦術で掌握」

「スカボロ紛争海域、中国が人海戦術で掌握」

Posted June. 08, 2012 08:24,   

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中国が、韓国戦争の時に使った人海戦術と同様の戦略をフィリピンとの南シナ海スカボロ礁(中国名・黄岩島)紛争に用いて効果を上げていたことが明らかになった。香港の評論家は、ターゲットを包囲して攻撃する「群狼作戦」と表現した。

中国は、4月上旬からスカボロ礁付近の海域でフィリピンと対峙し、巡視船や魚政船などの公務船を増派し、漁船などの民間船舶を含め、一時97隻まで動員してフィリピンを圧迫したと、香港の鳳凰衛星テレビが最近伝えた。

さらに、フィリピン外務省は5月23日に声明を通じて、「5月14日、紛争海域に中国船は5隻の政府船、16隻の漁船と56隻の多目的船があった。22日には、多目的船が76隻に増えた」と抗議した。紛争海域に中国船が97隻もあったのだ。

事態発生直後の4月11日、この海域には中国漁船12隻があり、当時、フィリピン海軍艦艇のだ捕を阻止するために、駆けつけた中国巡視船2隻が布陣した。中国は交代で巡視船を派遣し、フィリピン海軍を阻止しながら民間漁船の数を増やし、この水域を事実上掌握して、フィリピン漁船が割り込む隙をなくした。

鳳凰衛星テレビのある評論家は、「第2次世界大戦で、ナチス・ドイツが英国に向かう米国の補給船を断つために、潜水艦などを動員してターゲットを包囲・攻撃した『群狼作戦』を連想させる」と説明した。

中国は、米国や周辺国を刺激する軍艦を控える代わりに、漁船などの民間船舶を利用して、紛争海域で自国の位置を強化したとみえる。香港メディアは、この方法が中国に勝利をもたらしたわけではないが、少なくとも事態を中国に有利な方向に導いていると指摘した。このため、中国が韓国など周辺国との海上紛争でも同様の方法を使う可能性があるという分析も出ている。

スカボロ礁はフィリピンが実効支配している南シナ海の小さな珊瑚礁だ。フィリピンのルソン島から230キロメートル、中国の海南省からは約1200キロメートル離れている。スカボロ礁の領有権をめぐって、中国とフィリピンは軍事力の使用も主張して対立してきた。最近、スカボロ礁の周囲に、天然ガスなどの地下資源が多く埋蔵されている事実が明らかになり、両国の対立に油を注いでいる。



mungchii@donga.com