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北朝鮮言葉飛び交うウラジオストックのAPEC工事現場、約3000人が重労働

北朝鮮言葉飛び交うウラジオストックのAPEC工事現場、約3000人が重労働

Posted September. 06, 2012 08:59,   

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「ここのように、北朝鮮の住民と簡単に接することのできる都市など、この世界にない」

先月下旬、ロシア極東の港湾都市・ウラジオストックで会った住民たちは、口をそろえてこのように話した。実際、人口62万人の都市・ウラジオストクで、北朝鮮の労働者はいたるところで簡単に目にすることができる。その大半は、今週末ここで開かれるアジア太平洋経済協力機構(APEC)首脳会議の準備工事に投入された作業員だ。

先月22日午後、市内の体育館周辺の海辺。石材の手すりを取り付けている北朝鮮人労働者5人が、猛暑のなか、脂汗を流していた。周辺の小山を登る階段の建設工事現場でも、北朝鮮労働者10数人が、忙しく動いていた。組長と見られる北朝鮮人は、タバコをくわえたまま、咸鏡北道(ハムギョンブクド)の方言で、携帯電話で盛んに電話をしていた。

市内で、労働者たちが高いところで工事できるように取り付けた「足場」のあるところには、必ずといっていいほど、北朝鮮人労働者がいた。一人の地元住民は、「北朝鮮人は東洋人であり、白人とは一目で区分することができるが、東洋人の中でも背が低く、やせている上、日焼けしていて、より一層目立っている」と述べた。

労働者たちは、東洋人さえ近づけば、警戒した。何度も「おはよう」と声をかけたが、無駄だった。彼らは主に、作業場周辺のコンテナで寝泊まりしている。また、都市郊外に集団居住地2ヵ所を設け、貸し切りバスで通っているという。

ここの北朝鮮人は、昨年上半期から急激に増えている。長い間、朝ロ関係について研究してきたラリーサ・カブロブスカイア・ロシア科学院博士は、「APECの準備に向け、トルコと北朝鮮から労働力を輸入しているが、主に北朝鮮人たちは、単純労務職に、トルコ人は技術職についている」と述べた。

現在、3000人ほどがウラジオストックで働いているものと試算される。数百人の韓国人より、北朝鮮の常駐人数の方が多いのが現状だ。月平均給料は1000ドル(約113万ウォン)前後。開城(ケソンン)工業団地の北朝鮮労働者の昨年平均賃金109ドル(約12万ウォン)の10倍近いだが、国家に上納後、個人の手に入る金は、250ドルほどだ。

北朝鮮は、ウラジオストク周辺の港であるナホトカに、20人を越える外交官を派遣した総領事館を構えている。ハバロブスクにも領事8人が派遣された出先機関がある。

ロシアは、極東に自国の不凍港が依然、未開発の状態で残っているが、北朝鮮の羅先(ナソン)地区への投資を開始した。ロシアと北朝鮮は早ければ10月、遅くても今年末まで、北朝鮮との国境地帯であるハッサンと羅先とをつなぐ54キロの鉄道を、正式に開通する。ロシアが、鉄道の現代開事業費83億ルーブル(約2909億ウォン)を全額負担した。

両国は、鉄道軌道として、標準軌と広軌とを一緒に設置した。韓国と中国、北朝鮮の標準軌より幅の広いロシアシベリア横断鉄道(TSR)が、羅先までつながれたのだ。一人の消息筋は、「ロシアが羅先港を活用するという意志を、これ以上明確にさせることはできない。これは、ロシアの第2の東進政策といえよう」と話した。

ロシア領土で、豆滿江(トゥマンガン)上部の東海(トンへ、日本名=日本海)に接している沿海州は、面積が約16万5900平方キロメートルで、韓半島の75%ぐらいだが、人口はわずか195万人に過ぎない。しかし、中心都市・ウラジオストクなどには、世界のどの国際都市にも引けをとらないほど、各国の公館が集まっている。同地域が持つ戦略的性格や豊富な天然資源のためだ。

日本は、ウラジオストクやハバロブスク、サハリンにそれぞれ総領事館を構えている。自国民の数は500人足らずだが、領事は50人に上っている。また、NHKや朝日新聞、共同通信など、日本の主要メディアが特派員を派遣している。自国民が200人に過ぎない米国も、総領事館を設置している。自国民の数が30人前後のインドも、3人の総領事館を開設した。中国もハバロブスクに総領事館を、ウラジオストクには総領事館の分館を設けている。領事数は約30人だ。韓国は、ウラジオストクの総領事館に、領事10人を置いている。



mungchii@donga.com