▲スキャンダル(Scandal)〓オリンピック招致過程で6人の国際オリン
ピック委員会(IOC)委員が組織委員会から賄賂を受け取るなど、異常な形で
スタートした今回の五輪は、大会期間中雑音が絶えなかった。フィギュアスケー
ト・フェアで判定をめぐってトラブルが起こり、二人の金メダリストが誕生する
かと思うと、ショートトラック男子1000mでは韓国の金東成(キム・ドン・
ン)が誤審で金メダルをさらわれる事件が起きた。また、閉会式の日には二人の
クロスカントリーの金メダリストが禁止薬物を服用、メダルを剥奪された。
▲選手(Athlete)〓スキージャンプで一回も国際大会で優勝したことの
ないアンマン・シモン(スイス)は、「K−120」と「K−90」の両種目を
席けんして異変を生み、フィギュア女子シングルでは誰も注目しなかったサラ・
ヒューズ(アメリカ)が「女王」に踊り出だ。また、オレエイナルヴェルンダレ
ン(ノルウェー)はバイアスロンで4冠王になり、最多冠王の光栄を担い、「ス
キー女王」のヤニカ・コステリチ(クロアチア)はアルパインスキー史上初めて
全種目でメダル(金3、銀1)を取った。
▲幸運(Luck)〓最高のラッキーマンとなったスティーブン・ブラドバリ
(29・オーストラリア)。ショートトラック1000m決勝で先を滑っていた
4人の選手がみな転倒するばかりに最下位だった彼は悠々とトップでゴールした。
歴代冬季五輪史上初めての金メダルを祝うため、オーストラリアでは記念切手ま
で発行したという。
▲技術(Technic)〓98年長野大会のスピードスケートで銀1、銅1に
とどまった米国チームが今大会で勝負したのは装備。米航空宇宙国(NASA)
の諮問を受けた特殊スケートとナイキで制作した人体工学特殊スケートウエアを
着用した米国のスピードスケートチームは、金4、銀2、銅4の驚くべき成果を
収めた。
▲敗北者(Loser)〓サマランチの後をついでIOC委員長になってからは
じめて開く五輪が「泥仕合」となったために体面が傷つけられたジャック・ロゲ。
「ハリウッド・アクション」で審判の目をごまかして金メダルをさらったアント
ン・オノ(アメリカ)。排他主義的な愛国心の強調に血眼になって世界の人々の
祭典である五輪をだめにした米オリンピック組織委員会(USOC)と米マスコ
ミ。
▲高度(Altitude)〓海抜1350mの高地であるソルトレークで開か
れた今大会は、とくに選手たちの競技力に大きな影響を及ぼした。何よりもロン
グトラック、スピードスケートが行われた五輪オーバル競技場では、10の細部
種目のうち、およそ8種目で世界新記録が更新された。
▲クワン(Kwan)〓世界選手権4回優勝、全米選手権6回優勝でフィギュア
スケートにおいて世界トップの座を占めているミシェルクワン(22・アメリカ)。
しかし、「オリンピックの金メダルは天が決める」といわれるように、彼は今大
会でも金メダルを取ることに失敗した。98年長野大会ではタラリピンスキ、今
大会ではサラ・ヒューズに押された。いずれもショートプログラムではトップと
なったものの、フリースケートで仲間に負けてしまった。
▲エリート(Elite)〓「参加に意義のある」オリンピックではもうなくなっ
ている。ジャック・ロゲIOC委員長もトップレベルの選手が参加するオリンピッ
クを目指している。肥大化されているオリンピックは今後、大会規模と期間、参
加選手が減り、「誇らしいびり」を見守ることはもう難しくなりそうだ。
ssoo@donga.com