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MTバイクライダー、自転車と一つになってどこへでも行く

MTバイクライダー、自転車と一つになってどこへでも行く

Posted September. 22, 2006 06:00,   

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コメディアンのペク・ナンボン(67)さんは、最近居ても立ってもいられない時が多い。目を閉じると、しきりに「道」が揺らめく。田舎の道、砂利の道、アスファルトの道、コスモスの道…。同氏は山岳自転車(マウンテンバイク)ライダーだ。1996年から乗り始めたので、今年で10年目。しかし、しばらくは自転車を「ただ見てばかりいる」しかない。先月30日、京畿城南市盆唐(キョンギ・ソンナムシ・プンダン)〜炭川(タンチョン)コースを走っている途中、永東(ヨンドン)大橋の下で不意に事故に合ったもの。先に進もうとした仲間と一緒に倒れて、左肩の鎖骨が5つに砕けてしまった。鉄心を入れて10日間、入院していた。骨がくっつくためにはこれからどれだけ待たねばならないか分からない。

「今回が3番目の負傷です。1999年には京畿揚平郡(ヤンピョングン)の龍門(ヨンムン)山で若いグループの後について下る途中、石にかかって3メートルも空中に跳ね上がりました。肋骨が3個も折れて、1ヵ月間まったく身動きできませんでした。しかし、立ち上がるや否や再び自転車に乗りました。まったく、もう…、ハハハ」

▲我々は風が吹くとペダルを踏んで走る〓ペクさんは、元々サッカーマニア。「ペクペレ」と呼ばれながら20年余りグラウンドを走り回った。しかし、体重が80キロ(身長167センチ)を上回ってから膝が痛んできた。歩くたびに音がし始めて、ある日ひどい糖尿まで重なった。その時、歌手の金セファン(59)さんが山岳自転車を薦めた。金さんは山岳自転車21年経歴の至尊。彼に上り下りする時のギア変速など、基本を学んだ。乗れば乗るほど足に力が付いた。少しずつ体重が減って(70キロ)、血糖数値がぐんと下がった。膝もきれいに治った。

自転車は一度夢中になると、抜け出しにくい。小説家の金フン(58)、歌手兼タレント兼俳優の金チャンワン(52)、精神科専門医の金ビョンフ(51)、タレントのソン・イルグク(36)、国会議員の朴チャンソク(66)、金チュンファン(52)、チョン・ドゥオン(49)さんら「中毒者」が多い。自転車で会社に通うマニアも著しく増えた。

「山岳自転といっても必ずしも山だけで乗る必要はありません。自分の力と経歴に合わせて気楽に乗れば良いのです。素人は漢江(ハンガン)市民公園か支川の良才(ヤンジェ)川、佛光(プルグァン)川などの自転車道路を、中級者は南漢(ナムハン)山城—南山(ナムサン)—牛眠山(ウミョンサン)—大母山(テモサン)コース、上級者は龍門山(ヨンムンサン)、雲頭(ウンドゥ)嶺、彌矢(ミシ)嶺など険しいコースで乗ればいいです。私は彌沙里(ミサリ)〜幸州(ヘンジュ)山城、盆唐〜炭川、南漢山城、京畿抱川(ポチョン)市国立樹木院などでよく乗ります。たまに済州島(チェジュド)へ行くことがあれば、自転車を分解して飛行機に乗せて行って、済州一周道路を走りますね。とても気持ちいいですよ」

自転車は人の体の脂肪を焼いて走る。全身運動でエネルギーの消費が極めて大きい。走っていると、おのずと「モムチャン(最高の身体)」になる。病院で判定したペクさんの身体年齢は45歳前後。ぜい肉がほとんどなく、太ももががっちりしている。ペクさんは「決して49歳の年齢」と換えたくない」と言って、大きく笑った。

ペクさんのマウンテンバイクは手づくりの「セブン(SEVEN)」だ。米国でペクさんの身体に合わせて、鞍の高さや腕の長さなどをぴったり合わせてきた。胴体だけで750万ウォンぐらい。素材が飛行機を作る時に使われるチタンだ。27段ギア。車輪など全体の重さは10.8キロ。一手で軽く持ち上げられるほど軽い。どこに当たっても折れない。曲がってもすぐ元どおりになる。倒れてもライダーが大きく怪我しない理由だ。速度計もある。最高・最低速度から現在の速度、平均速度まで表示される。ペクさんは時速52キロまで走ってみた。この速度は自動車が時速230キロで走る時に受ける感じと同じだ。

▲休日、漢江自転車道路は「大騷ぎブルース」だ〓休日の漢江自転車道路はごった返す。歩行者、マラソンランナー、自転車、インラインスケートが交差して事故が頻発する。「自転車は右側、歩行者は左側」という表示が立っているが無用だ。インラインスケートは言及されてもいない。自転車とインラインスケートが正面衝突する場合もよくある。自転車道路の上に堂々と不法駐車するかと思えば、子供たちがその上で遊び回る。気が遠くなる。米国やカナダでは歩行者、マラソンランナー、自転車、インラインスケートがいずれも右側の一方向で動く。追い越す時は、ベルや大きい声で信号を送る。

ソウル市は最近10年をめどに現在総629キロの自転車専用道路を1014キロまで伸ばすと発表した。しかし、今ある自転車道路をよく利用できるように交通システムから整えなければならない。折よく呉世勲(オ・セフン)市長はマウンテンバイクライダーだ。

金フンさんは「自転車は身体」だと断言する。そうだ。車輪は足だ。胴体は骨だ。部品と部品のつなぎ目は関節だ。石や泥道を通る時はその感じが体中に伝わってくる。自転車は歩く。私は走る。一つになる。