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[社説]韓国のものを取り戻すのに、また、韓国のものを渡さねばならないのか

[社説]韓国のものを取り戻すのに、また、韓国のものを渡さねばならないのか

Posted July. 28, 2001 09:23,   

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韓国が、フランス所蔵の外奎章閣図書(ウェキュジャンガク図書:李朝の歴代国王の書籍・文書など)を国内の古文書と引き換えにすることにしたのは、間違いである。これは、韓国のものを返してもらうために、また韓国のものを渡さねばならないことであり、しかも事実上フランスの略奪行為を正当化するようなものである。

その間、交渉を続けてきた両国は、この図書を韓国所蔵のそれに相応する古文書と「相互貸与」する方式で返還することに合意し、9月から実写作業を始めることにした。両国の実写チームは、外奎章閣図書297冊の内、まず64冊と推定される唯一本から調査に入る。

勿論、韓国の貴重な文化遺産を取り戻す道を開いたという点では、それなりに意義がある。交渉団は、この方法が、各国からの略奪文化財を多く所蔵しているフランスの立場も考慮した現実的な選択だったと言っている。また、フランスは唯一本を渡す反面、韓国は写本のあるものだけを渡すので、等価交換ではないと強調している。

しかし、今回の合意は、その間声を揃えて等価交換方式に反対してきた韓国の学界の意見に反するものである。我々としては、この問題が提起された91年以降、問題解決に一貫性がなかったため、フランスの意図に丸め込まれたような気がする。その間、高速電鉄(TGV)輸入交渉などで有利な立場にあったから、海外文化財返還の前例などを提示しながらもう少し強力にフランスを説得すべきであった。

今回の合意内容が発表されてから、韓国の学者は、文化財を略奪したフランスに免罪符をわたしたようなものだと言い、強硬に反発している。ソウル大学奎章閣(キュジャンカク)などの関係者は、如何なる場合にも、フランスに本を渡せないと強硬な立場を取っている。永久返還以外には対案はないということである。

1866年、丙寅洋擾(ビョンインヤンヨ:李朝時代、1866年にフランス艦隊が江華島を侵犯した事件)当時、フランス軍が外奎章閣を燃やし、所蔵されていた図書を持ち出したのは、国際法上、確かに略奪行為であった。にもかかわらず、これを返してもらうために他の古文書を渡すのは矛盾している。海外に所蔵されている韓国の文化財7万点余りの返還交渉においても良くない前例となる可能性が高い。

「相互貸与」方式は、最長4年以上の文化財搬出を禁じている文化財保護法にも触れる。いくら国際的な交渉と言えども、国内法を破ってまでも合意したのは理解できない。

文化観光部、外交通商部などの関係部署(省庁)は、時間を置いて原点から戦略を立直す必要がある。国際法的な解決策を模索したり、フランスの世論を説得しながら「永久貸与」を改めて推進させる等、様々な方法が模索出来るであろう。