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[社説]金剛山ダム崩壊の兆候、政府の対応に焦点

[社説]金剛山ダム崩壊の兆候、政府の対応に焦点

Posted May. 01, 2002 10:12,   

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北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が北漢江(ブッカンガン)上流に建設した金剛山(クムガンサン)ダムに、数ヵ所の陥没の跡が発見されるなど、危険な兆候が現れたという。万が一、ダムが崩壊する最悪の事態が発生した場合、ソウルなど漢江(ハンガン)下流地域には、とてつもない被害が予想されるくらい深刻なことである。それでも政府は、これまで対策なしで通してきたが、最近になって金剛山ダム下流にある「平和のダム」の補強工事の準備を進めているということだ。

これまでにも、漢江水系への流入量が急減するなど、金剛山ダムについてさまざまな問題が持ち上がったのも、昨日や今日のことではない。平和のダムに近い江原道(カンウォンド)ヤング地区の住民と一部の専門家らは、すでにだいぶ前から金剛山ダムの異常兆候を取り上げ、政府の対策を促してきた。ところが政府は、今年2月、平和のダム上流地域に、3億5000万トンもの水が流入して冬の洪水が発生した時も、これといった措置を取らなかった。これが、政府の安易な認識からだとすればそれも問題だが、もしも北朝鮮に対する「様子見」のためだったとすれば、それはさらに深刻な問題と言わざるを得ない。

政府は、来週に予定されている南北経済協力推進委員会の場でこの問題を議論するとしているが、もはや議論の段階から一歩進んで、具体的な代案を打ち出さなければならない時である。まず金剛山ダムの安全状況を把握するための調査団の派遣が急務だ。調査データーをもとに、金剛山ダム問題を抜本的に解決する方策を講じることが次の手順である。

なにより政府は、北朝鮮の態度の変化を強く促すべきだ。国際法上、共有河川は当事国の同意なしに水の流れを変えることはできないことになっている。にもかかわらず北朝鮮は、韓国側には一言の相談もせずに、金剛山ダムなどいくつものダムを建設して北漢江の流れを太白(テベク)山脈側に変えており、我々はこれについて、これまでそれらしい抗議すらしていない。韓国側に電力の支援や経済援助を求める北朝鮮がこのような行動に出るのは、筋道に合わないことだ。北朝鮮に対して、政府がどのように対応するか、国中が注目している。