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[社説]現政権のアイデンティティが問題の核心だ

[社説]現政権のアイデンティティが問題の核心だ

Posted July. 27, 2004 22:29,   

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与野党のアイデンティティ攻防を見ると、いま大韓民国の時計は一体何時をさしているのかと問いたくなる。前だけを見てひたすら走っても、私たちの世代で果して先進国の隊列に伍することができるのか自信がない状況で、過去にしがみついて政争に明け暮れている。「国民でいるのがつらい」言う言葉は、虚言ではない。

現政権のアイデンティティに対するハンナラ党の朴槿恵(パク・グンヘ)代表の質問に、大統領府は回答を出したものの、核心を外しただけでなく、問題をさらに大きくした。朴代表は、具体的な懸案に対する盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の考えを質したのだ。大統領直属の疑問死真相調査委員会が、未転向長期囚を民主化に寄与した者と判定し、スパイ容疑で服役した者が疑問死委の調査官になって現役将官を調査したことに対して、大統領の立場はどうかと聞いたのである。

北朝鮮警備艇が、北方境界線(NLL)を侵犯したにもかかわらず、北朝鮮には一言も言わずに、なぜ韓国軍だけを叱責するのかと問い質したことも、然りだ。このような質問に自信をもって返答することができないなら、同政権のアイデンティティは果して何なのか明らかにしろと求めたのである。朴代表でなくても、国民なら誰もが問うことができ、また問わなければならない問題である。

これに対する盧大統領の回答は、「憲法に盛り込まれた思想が私の思想だが、ただその憲法は維新憲法ではなく、1987年10月に改正された民主憲法だ」というのが全てだった。適切とは見て取れない返答だ。朴代表や多くの国民が知りたいことは、現政権のアイデンティティなのだ。「左寄り政権」という言葉がしばしば飛び出し、不安から企業は投資をはばかり、一部の富裕層が財産を海外に持ち出すという話まで出ている状況で、アイデンティティを明確にして、国民を安心させてほしいということなのである。

過去に立ち戻って消耗的な体制論争をしようというのではない。過去ではない今日の現実に対する大統領の診断と処方を見せてほしいのだ。大統領府は、「大統領は就任以来、行く先々で自由民主主義を話し、透明な先進市場経済を語った」と反ばくしたが、問題は多くの国民がこれを肌で感じることができないということにある。経済担当副首相まで、「我々に市場経済ができるのか、最近になって疑問に思う」と嘆いている始末だ。

盧大統領は明確に返答しなければならない。「維新」云々と言って過去を振り返ることではない。維新治下の開発独裁論理で政権のアイデンティティを裁断してはいけないという意味だろうが、そのようなやり方は、論争の焦点をごまかし、戦線を拡大させるだけだ。すでに野党からは「大統領自身が、DJP(金大中、金鍾泌)連合だった民主党の大統領候補だった」という冷笑的な反応が出ている。これでは、一歩も先に進むことができない。ただでさえ「この政権の関心は、全て歴史のあら捜しに注がれている」という指摘も出ている。

国民が政権のアイデンティティに不安を感じるなら、これを解消する責任は、第一に大統領にある。野党との季節外れの維新論争をするのではなく、自由民主主義と市場経済に忠実な大統領であることを実践で示さなければならない。