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[社説]反米・反韓感情では未来はない

Posted August. 29, 2004 22:24,   

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「在韓米軍削減が早まった決定的なきっかけは、昨年末ソウル龍山(ヨンサン)で、米軍兵士が韓国の学生が投げた石に当たって血を流すシーンを放送した米NBCニュースだ」という秘話がある。このニュースを見て激怒したラムズフェルド米国防長官が、「在韓米軍を撤退させろ」と指示を下したというのだ。一昨日、このような内容を公表した文正仁(ムン・ジョンイン)北東亜時代委員会委員長は、「我々の無分別で些細な誤りのため」だと説明したが、これは決して「些細な誤り」で済むことではない。

常識で考えて、ラムズフェルド長官がそのニュースの影響だけで、在韓米軍削減を決めたはずがない。韓国社会の反米感情は、02年6月の米軍装甲車による女子中学生死亡事故以来、すでに危険水位を超えていた。このような反米気流に対する憂慮が、ラムズフェルド長官の判断の前提になっていたと見るのが正しいだろう。

韓国に対する米国の態度が変わったことを示す例は他にもある。「米国内の反韓感情が、共和党保守派だけでなく民主党にまで広がっている」と述べた米国のクリストファー・ヒル駐韓大使の最近の発言がそれだ。両国関係についてよろしきを述べるのが常例の新任大使まで、公開の場で憂慮を表明したことは、尋常ではない。

このままでは困る。韓米関係は、今後の韓国の未来を設計するうえで重要な軸のひとつである。両国の感情の乖離がますます広がることは、直ちに韓国の安保と発展に大きな負担として作用する。すでに在韓米軍の削減で発生する安保の空白に対して、憂慮が高まっている。

政府と国民のみなが真剣になって、冷静に現実を見つめなければならない。これまで反米感情を煽いできた一部市民団体は、無責任な煽動を慎まなければならない。政府も口先だけで「韓米関係に異常はない」と繰り返すのではなく、国民が本当に信じることができる行動を見せるべきだ。このままでは、韓米関係に本当の危機が訪れるかもしれない。