Go to contents

[社説]口先だけだった「高句麗史」の口頭合意

[社説]口先だけだった「高句麗史」の口頭合意

Posted September. 17, 2004 22:27,   

한국어

中国が高句麗史の歪曲を進めているプロジェクト「東北工程」の権威者が、ソウルで開かれた国際学術会議において「高句麗は明らかに中国の歴史だ」と強く主張した。彼は、新羅の三国統一を百済と新羅の二国統一だと格下げした。今日の「領土主権」を基準に過去の「歴史主権」を論じる中国政府と学者らのかたくなな「中華意識」、そして政府の方針と路線をオウムのように繰り返す中国知識人らの限界に対し、強い失望と怒りを禁じえない。

中国側の主張は今回の会議に参加した他の国の学者からも攻勢を受けた。モンゴル科学アカデミーのオー・バトサイハン教授は中国がモンゴル史を歪曲した例をあげ、「ジンギスカンまでも中国人に仕立て上げようとしている」と語り、インド出身でシドニー大学のパンカジ・モハン教授は「釈迦の誕生地が現在のネパールにあるからといって、釈迦がネパール人になるわけではない」と論じ、中国側の主張の不当性を指摘した。

中国文化部が発行する月刊誌9月号にも「高句麗は中国少数民族の地方分権だ」と主張する記事が掲載された。この雑誌は中国語版と英語版があり、世界180カ国に配布される官営広報雑誌だ。従って、中国政府が本格的に高句麗史歪曲の海外広報に乗り出したと見るしかない。

中国政府は先月末、高句麗史歪曲問題と関連し、「中国は中央及び地方政府レベルでの関連記述に対する韓国の関心に理解を表明し、必要な措置を取っていくことで問題が複雑になることを防ぐ」という5項目全てを約束していた。当時、韓国のマスコミと学界はこうした口頭での合意は、形式や内容からしてその場しのぎに過ぎないと指摘した。結局、1カ月もたたないうちにそれが現実となったわけだ。

韓国政府は中国が約束を破ったことに対し、きちんと釈明を求めるべきだ。また、高句麗史の歪曲は決して学術的な論議で是正される問題ではないという点に留意し、多角的な外交上の取組みと戦略も併せて講じる必要がある。