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[社説]なぜ、図書館なのか

Posted September. 11, 2007 03:11,   

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「コンピューターの皇帝」と呼ばれるマイクロソフトのビル・ゲイツ会長は、「うちの子どもたちには当然、コンピューターをプレゼントするだろう。しかし、それより先に本を買ってあげる」と語った。

氏は、小さい頃、町の小さな図書館に入り浸って身に付けた読書習慣が、今の自分を作り上げた原動力だと述べた。自宅の中で最も好きな場所は、1万4000冊余りの本のある個人図書館だ。

一回のクリックであらゆる情報が見られるデジタル時代においても、依然として世界のリーダーや富豪のうちには、「目立った読書好き」が多い。知識や情報はインターネットでも容易に手にできるが、考える力や世間を見抜く目は、読書を通じて養われる。テレビやコンピューターにどれだけ多様な情報や面白いネタがあっても、思考力や洞察力を育むのは本であり、時には新聞や雑誌のような活字メディアだ。

米国資産運用界の伝説と呼ばれるオマハの賢人、ウォーレン・バフェットは、1日の3分の1を、本や投資関連資料、新聞・雑誌を読むのに割いている。中学校を中退し、アジアトップの富豪となった香港の李嘉誠も、手から本を離さなかった。本を通じて情報も手にするが、集中力も身に付けるという。生徒時代、学力の劣ったチャーチルが英国の首相となり、ノーベル文学賞まで受賞したのには読書に負うところが大きかった。

韓国は漢江(ハンガン)の奇跡を成し遂げ、世界10位の経済大国に跳躍したものの、知識が競争力のグローバル化時代に、遅れを取らずに引き続き発展できるかどうか未知数だ。本を余り読まない国民、いや「まったく読まない国」といっても過言ではないためだ。

本を読みたくても本がなく、または適当なスペースがなくて読書の喜びを享受できない立ち遅れた地域の疎外人口も多い。わが国の公立図書館は564館で、米国の9211館や日本の2825館には程遠い。図書館1館あたりの人口も8万6865人で、フランス(1万4501人)、米国(3万1253人)には及ばない。それさえ、距離が離れていて簡単に利用できない。

東亜(トンア)日報と社団法人「小さな図書館を作る人たち」が、農村や漁村のふるさとの学校に町の図書館を作る活動を始めた。本を読みたい青少年や地域住民たちのもどかしさを解決するためだ。私たちは、図書館の設立は大韓民国や国民一人一人の未来のためのもっとも確実て貴重な投資であり、応援だと信じる。志のある方々の積極的な参加を仰ぎたい。