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[社説]宗教の和合なくして国民統合はない

[社説]宗教の和合なくして国民統合はない

Posted August. 28, 2008 08:41,   

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李明博(イ・ミョンバク)政権の「宗教偏向」を糾弾する汎仏教徒大会が、仏教信者6万人あまり(警察の試算)が出席し開かれたが、大きな問題もなく平和裏に終わり、幸いなことだと思う。会場を取り巻く200枚あまりの旗には、「大韓民国の政府は、宣教の道具ではない」、「仏教信徒たちは怒りを感じている、李明博大統領は謝罪せよ」、「魚鋻秀(オ・チョンス)警察庁長は謝罪せよ」などのスローガンが書かれていた。僧侶や仏教信者らが、政府に向かって、集団で憤りをぶちまけたのは、今回が初めてで、事態の深刻さを物語っている。

李大統領は汎仏教徒大会を控えて、「公職者たちは宗教問題について、国民のハーモニーを損ないかねない発言や業務の処理をしてはならない」と述べた。しかし、このようなメッセージが出た当日、韓中首脳会談の晩餐会では、キリスト教放送局の子供合唱団が歌を歌い、大統領府内でも議論を巻き起こした。「宗教的な中立」を巡る李政府の態度が、根本的に変わらない限り、大統領の言葉や警察庁長の更迭のような急場しのぎの対策では、事態の収拾は容易ではない。

わが国は仏教やキリスト教、カトリック教の信者数が理想的なバランスを取り、世界でも類のない宗教同士の平和が保たれてきた。仏教の指導者はクリスマスにお祝いのメッセージを送り、キリスト教指導者らも釈迦の誕生日にお祝いのメッセージを送る様子は、ほほえましいものだった。ところが最近、名の知れたチャン某牧師が、仏教を貶めるような発言をし、物議をかもしている。聖職者や信者らも、「自分の宗教が大事なら、他人の信仰も尊重し、配慮する」姿勢が求められている。

キリスト教牧師らの会である「キリスト教社会責任」は、「我々がほかの宗教と平和に暮らす姿勢が、足りなかったことを反省する」と述べた。良心的な宗教人や信者らがこのように和解の精神を発揮すれば、今のような宗教同士の対立は十分、解消できると思う。

ただし、仏教界の一部で、曹溪寺(チョゲサ)で立てこもりを行っている手配者らへの免責を要求したのは間違いである。不法的な暴力デモを主導した「狂牛病(BSE)対策会議」や一部の左派の市民団体の幹部は、曹溪寺の代表寺院を避難場所として利用しているだけだ。

南北に分かれている国で、地域が分裂し、再び宗教で分裂することになれば、国の将来のためにも心配せざるを得ない。この政府はこれ以上宗教偏向という言葉が仏教界から出ないように、深く謝罪し、宗教的に中立を保つ意志を行動で示すべきだ。