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[社説]いくら悪質な容疑者でも拷問捜査は許されない

[社説]いくら悪質な容疑者でも拷問捜査は許されない

Posted June. 18, 2010 08:05,   

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国家人権委員会が、検察に捜査依頼し、明るみになった陽川(ヤンチョン)警察署の拷問疑惑は、時間、場所、過酷な行為、方法において具体的だ。人権委が、昨年8月から今年3月まで、陽川警察署で起訴された32人を調査した結果、22人が口にくつわをはめられて殴られ、手を後ろにした状態で手錠をかけられ、手を上げさせられるなど、類似行為を受けたと話した。

警察は、過酷な行為はなかったと否定している。警察は、人権委に供述した容疑者の1人は、麻薬で逮捕された前科16犯で、逮捕前に仲間内でけんかした際、切れた額の傷を病院で治療したものを「警察に殴られてできた傷だ」と主張しているという。実際、捜査官が麻薬や組織暴力犯罪者を検挙する際、刃物やバットなどを振り回し、抵抗するケースも少なくない。わざと自分の体に傷をつけ、捜査官の拷問疑惑を主張する知能的な容疑者もいなくはない。犯人を検挙する際、抵抗する犯人を制圧するため、力の行使が避けられない時もある。

しかし、すでに逮捕され、警察署で取調べを受けている容疑者に対し、拷問的行為をしたとすれば、話は変わる。李容疑者が暴行を受けたと主張する3月28日、凶悪犯罪捜査班の事務所の取調べの様子を録画するカメラの角度がはじめから上にずれていた上、警察のハードディスクには、3月9日から4月2日までの録画がなかった。故意の隠蔽疑惑まで提起されている。拷問は、自由民主主義と法治主義が支配する国で、いかなる理由があっても容認できない公権力の犯罪だ。いくら悪質な容疑者でも、拷問捜査は許されてはならない。強迫による自白が犯罪の唯一の証拠である時、裁判所が刑事訴訟法によって証拠能力を認めないのも、自白の自由意思(任意性)を認定できないためだ。

国民は、第5共和国時代、朴鍾哲(パク・ジョンチョル)拷問致死事件や権仁淑(クォン・インスク)拷問事件など、拷問の野蛮性に身震いした記憶が今でも鮮明だ。87年の民主化から23年が過ぎた今でも、拷問犯罪疑惑が出てくることは恥ずかしいことだ。検察は17日、捜査依頼を受けた警察官5人を取り調べた。一点の疑惑も残らないよう徹底的に捜査しなければならない。過酷な行為の主張が事実だった場合、該当警察官を裁判にかけ、指揮責任のある上部ラインまで厳重な責任を問わなければならない。