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[社説]ハンナラ党、新人を育てない「既得権の壁」を解体せよ

[社説]ハンナラ党、新人を育てない「既得権の壁」を解体せよ

Posted June. 19, 2010 08:11,   

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ハンナラ党の金武星(キム・ムソン)党院内代表は、6・2地方選挙の敗北直後、「公認に不満を持って無所属出馬したのが、基礎自治体首長選挙につながり、(うちの候補が)落選したケースが多い」と話した。実際、ハンナラ党の公認で脱落した現役の基礎自治体首長が無所属で出馬して当選した地域だけで10ヵ所を数える。離党した団体長が自分も落選したが、票を食い込んでハンナラ党候補を落選させた地域も12ヵ所もある。

ソウルのある地域区では国会議員が補佐官出身に公認を与えるため、現職の区庁長を公認で排除したところ、票が分散して民主党候補に当選の喜びをもたらした。京畿道(キョンギド)のある地域では党が公認した候補を別に置いて、自分が支持する候補と共に党公認に反対する記者会見を行った国会議員もいた。ハンナラ党は選挙を控えて、人材迎え入れ委員会という組織を設置した。しかし、人材迎え入れ委がいざ新人抜擢にどれほど貢献したかを考えていると空しいかぎりである。中央党と市道党別に構成された公認審査委員会も同様だ。

ハンナラ党は一時、ショートトラック国家代表出身のチョン・イギョンさん、体操スターだったキム・ソヨンさん、帰化フィリピン人のジャスミンさんを地方議会の比例代表に迎え入れたと発表した。しかし、いざ公認者のリストでは排除されたり、当選圏内に入れてもらえなかった。迎え入れ委と公審委、ひいては最高委員会議まで派閥と議員の公認争いに巻き込まれたからだ。ハンナラ党が、能力と道徳性を備えた人物の政界進出の通路になるどころか、自分たちの既得権を守るための壁になっているわけだ。

06年、政党改革に向け、中央党の公認権を諦め、市道支部党に渡したのがかえってトラブルの元になっているという指摘が出ている。市道支部党の公認権が、かえって中央党の斬新で有能な人材抜擢と改革公認を妨げ、公認をめぐる汚職を煽ったり、現役議員らが潜在的なライバルの成長を妨げる手段に転落したということだ。

ハンナラ党が次期指導部を選ぶ党大会を7月14日開く。ここで選出される党代表と指導部は、李明博(イ・ミョンバク)政権の任期中盤の国政を牽引しながら、政権継続の土台を構築する役割を担うことになる。世代交代の風に乗って党を変化させるとして、自ら名乗りをあげたか推薦された候補だけで15人を数える。しばらく親李系(李明博大統領寄り)の実勢と言われる李在五(イ・ジェオ)国民権益委員長の出馬の可否が議論になった。出馬したくないと言っている朴槿恵(パク・グンヘ)元代表にすがって出馬を口説いている議員らは、親李系にも何人もいる。国民の要求に応え、新しい秩序作りに乗り出すといったハンナラ党が自ら人物の貧困を告白しているわけだ。

既得権に進入した自分たちだけのカルテルで新しい人物を押し出す進入障壁を張るような党の体質を改善できないかぎり、党大会を行ったとしても「彼らだけのリーグ」に終わるのは必至だ。