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[社説]北朝鮮の相次ぐ挑発に断固たる対応を

[社説]北朝鮮の相次ぐ挑発に断固たる対応を

Posted November. 24, 2010 09:19,   

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北朝鮮軍が23日午後、延坪島(ヨンピョンド)に、海岸砲と曲射砲約100発を発射する武力挑発を強行した。このため、韓国の海兵隊兵士2人が死亡し、13人が重軽傷を負った。数十発は民間の集落に落ち、住民3人が負傷した。韓国軍は、直ちにK9自走砲約80発の対応射撃を行い、砲撃を止めるよう警告したが、北朝鮮軍は約1時間にわたって2度の砲射撃を行った。金正日(キム・ジョンイル)政権は、いまや軍人と民間人を区別しない戦争狂の姿を露にした。

北朝鮮軍の海岸砲発射の直後、延坪島の民間の集落と山には、あちこちから黒い煙が立ち上がった。「実際の状況」という放送が流れ、住民は防空壕に緊急避難した。陸上が危険だと判断した一部の住民は、漁船に乗り海に避難した。砲声が鳴り、延坪島の集落の住宅や窓ガラスが破損し、電気まで途絶えた。戦時を彷彿とさせた。民間人居住地域に砲弾を放つ行為は、休戦協定違反だけでなく、戦争犯罪に該当する。

北朝鮮の延坪島砲撃は、金正日総書記の指示によることは明らかだ。政府は、金正日総書記に対し、責任を問うと警告すべきだ。民間人密集地域を狙い、砲撃する北朝鮮指導者に、まともに対することはできない。北朝鮮は2週前、米国の核専門家にウラン濃縮施設を公開した後、延坪島を攻撃した。緻密な計画を立てて、挑発を強行したと見ざるを得ない。

北朝鮮は、22日に始まった韓国の陸海空軍の「護国訓練」を北朝鮮への攻撃行為だとし、挑発を強行した。しかし、韓国軍は同日午前、白翎島(ペクリョンド)の西方と延坪島の南方の韓国海域で、砲射撃訓練を行っただけだ。韓国側に責任を転嫁する機会をうかがい、この日に砲撃を強行したと見ざるを得ない。

対話と交渉で北朝鮮の変化を期待するということが、どれほど危険で効果のないことか、再び確認させた。同族に対し韓国戦争を起こした金日成(キム・イルソン)主席の後継者、金正日総書記が、再び、全面戦争を起こすことも可能だという警戒心を持たなければならない。「まさか」という油断が、彼らの戦争挑発を起こさせるという点を、政府と軍、国民がはっきりと自覚し、北朝鮮に対さなければならない。

北朝鮮は2週前、米国の核専門家にウラン濃縮施設を公開した後、例年の韓国軍の訓練に言いがかりをつけ、延坪島を攻撃した。金正日総書記の息子、金正恩(キム・ジョンウン)氏に大将階級を与え、3代世襲を企図する北朝鮮が、若い後継者の強固な姿を示すことで、好戦的正統性を構築するために、このような挑発を強行したという見方もある。韓国が、より一層、警戒心を高めなければならない理由だ。

北朝鮮軍の挑発は、天安(チョンアン)艦沈没事件に劣らない厳重な事態だ。政府と軍が、今回いい加減に対応するなら、彼らは今後も、大小の武力挑発を止めないだろう。「戦争に拡大しないよう管理に万全を尽くせ」という李明博(イ・ミョンバク)大統領の最初の反応は、天安艦事件の時の、消極的な政府の対応を想起させる。李大統領は、天安艦事件の直後、「沈没の原因を予断するな」と述べた。天安艦事件の後、再び挑発すれば、北朝鮮の発進基地を攻撃するという言葉は、国民の耳にまだ残っている。今回も、政府が断固たる報復姿勢を見せず、数十発の対応射撃に満足するなら、北朝鮮は陰で韓国をあざ笑うだろう。

過去、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、北朝鮮が挑発すれば、韓国が後退し、補償を与えるという悪い慣例を作った。李政府も、北朝鮮の挑発に、断固として対抗することができなかった。3月26日、天安艦沈没事件を起こし、海軍将兵46人の犠牲を出したが、韓国は、軍事報復ができなかった。今年1月、北朝鮮が、延坪島と白翎島付近の西海(ソヘ・黄海)の北方限界線(NLL)に向かって、約400発の海岸砲を発射した際、軍は、NLLを越えて砲撃すれば対応すると公言したが、空手形だった。8月、北朝鮮が、延坪島と白翎島付近のNLLを1〜2キロメートル越えて、約10発の海岸砲を発射した時も、軍は対応しなかった。

その時その時に強力な対応で、挑発は決して座視しないという強い意志を見せていたなら、状況は変わっただろう。平和を望むなら、戦争を準備せよと言った。北朝鮮の挑発が、度を越えた以上、北朝鮮の悪癖は、強力な報復で正すほかはないという現実を直視しなければならない。

北朝鮮の追加挑発の可能性があるため、政府と軍は覚悟しなければならない。開城(ケソン)工業団地に滞在している韓国国民、約700人の安全対策も講じる必要がある。非常事態に、国民も結束し、政府と軍に力を与えなければならない。韓国の安全は、自ら守らなければならない。内部の混乱で国論が分裂すれば、金正日集団を喜ばせるだけだ。