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[社説]北朝鮮の現実に目を閉じた平和運動は、贅沢であり偽善だ

[社説]北朝鮮の現実に目を閉じた平和運動は、贅沢であり偽善だ

Posted November. 26, 2010 05:24,   

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北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島武力挑発を糾弾する決議案が、国会でほぼ全員一致で可決した。民主党をはじめとする一部野党は、「韓半島の緊張緩和」と「恒久的平和体制の構築」の内容を含めることを求めたが、世論を意識し、25日、国防委で採択された決議案の内容をそのまま受け入れる方向に変わった。天安(チョンアン)艦沈没の時、与党ハンナラ党主導の中途半端な糾弾決議案の採択で、国際的な恥をさらしたことと比較すると、幸いなことだ。

韓半島の緊張緩和と平和体制の構築は、いつかは実現しなければならない韓国の課題だ。しかし、北朝鮮の無慈悲な砲撃で、延坪島が火の海と化し、罪のない韓国の将兵と国民が命を失った状況で、緊張緩和だとか平和体制を云々することは、お門違いだ。北朝鮮の計画的な武力挑発で、大韓民国の領土が攻撃された今の厳しい状況では、贅沢に聞こえるほどだ。韓国の軍事訓練と李明博(イ・ミョンバク)政権の対北朝鮮強硬政策が、北朝鮮の攻撃を招いたという認識は、その善意を認めるとしても、北朝鮮の実体を十分に看破することはできていない。

北朝鮮が、平和体制などの、韓半島の平和に関する問題は、韓国を除いて米国だけを相手にしようとしたのは、かなり以前からだ。73年12月31日、金日成(キム・イルソン)主席の演説で明らかにし、74年3月、最高人民会議名義の対米書簡で公式化した。韓国とは、経済協力や文化交流、離散家族の再会、統一といった「民族内部の問題」だけを扱い、韓半島の平和に関する問題は、米国を相手にするということだ。00年、金大中(キム・デジュン)・金正日(キム・ジョンイル)首脳会談によって出された6・15共同宣言は、北朝鮮が設定したこの構図を、追認したも同然だ。

金正日政権が、金剛山(クムガンサン)観光をはじめとし、カネと関連したことは韓国をパートナーとし、体制の認定や核、平和協定のような問題の協議は米国としようとするのは、まさにそのためだ。北朝鮮が最近、ウラン濃縮施設を米国専門家に公開したことや、延坪島を砲撃したことも、米国を引き込もうという意図だと、中国や日本のメディアは分析している。北朝鮮は、緻密な計算によって動く北朝鮮の意図を把握し、対処しなければならない。

韓国社会の左派勢力は、自分たちが平和勢力であることを絶えず前面に押し出そうとし、まるで平和が自分たちの専有物であるかのように振舞う。彼らは、金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の10年を経て、「カネで買った平和」の甘さに酔い、まるでそれがすべての韓半島の問題を解く鍵であるかのように勘違いした。その結果、現れたのが、北朝鮮の核武装だ。北朝鮮は、韓国で政権が変わると、金剛山観光客の射殺、天安艦沈没、延坪島砲撃で、挑発の水位を高めながら、韓国に過去のような屈従を強要しているのだ。

金日成、金正日親子は、すでに反民族反人類の犯罪者として烙印を押されて久しい。金正恩(キム・ジョンウン)氏も、天安艦と延坪島の挑発で、民族犯罪者の一歩を踏み出したと分析される。父親と息子が、「民族殺人」を教え、学んでいることが、北朝鮮3代世襲の実体だ。このような民族犯罪者を前にして平和を語ることは、贅沢であり偽善だ。戦時状況で反戦運動を行うことは、本当の平和運動と言うことはできない。