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[社説]底力を結集—安保確立の年を開こう

[社説]底力を結集—安保確立の年を開こう

Posted January. 01, 2011 08:44,   

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大韓民国は1948年の建国後、62年間の度重なる危機の中、希望をあきらめず、血と汗と涙で今日の自由と繁栄を築き上げた。2011年の新年にも、国内外から激しい波風や試練が押し寄せるだろう。どの時代も、国家に危機が迫った時、その重さに押しつぶされて衰退の道を歩むのか、勝ち抜いて「自強自立」の道を歩むのかは、構成員の意志と選択にかかっている。

昨年、北朝鮮による哨戒艦「天安(チョンアン)沈没と延坪島(ヨンピョンド)砲撃によって明らかになった安全保障の脆弱性は、「自主国防」というスローガンは色あせさせた。3代世襲体制を公式に宣言した北朝鮮は、今年も強力な挑発をしかけてくる可能性が高い。自害恐喝団のような金正日(キム・ジョンイル)集団は、今や核攻撃まで取り出している。虚を突く北朝鮮の戦術戦略から見て、さらなる挑発は予測が難しい方法と対象になる確率が高い。今年、韓国に与えられた最大の課題は、北朝鮮に対する警戒心と安保意識を高め、安保の枠組みをしっかりと再構築することだ。

北朝鮮が完全な核兵器を保有する状況は、最悪のシナリオだ。北朝鮮がプルトニウム核に続き、ウラニウム核まで保有し、小型化して実戦用に配備するなら、大韓民国は存立の岐路に立たされることになる。北朝鮮の脅威を根源から除去し、暴圧体制に苦しむ2300万の同胞を救うためにも、統一を早める努力を怠ってはならない。2万人を上回る国内定着の脱北者を北朝鮮の民主化と統一のための主力グループとして活用する必要がある。対北朝鮮心理戦に拍車をかけ、北朝鮮住民が外界と北朝鮮体制の実状に目を開くようにしなければならない。国民の努力次第で、2011年が統一の基盤を固める元年になり得る。

ローマ帝国が長く存続できたのは、辺境で勤務する兵士を中心に、国家安保を堅固にし、国境を防衛したためだ。ローマ帝国は、国内政治でも卓越し、様々な民族の間で起こる対立や紛争をうまく収拾した。「秩序がない所には自由もない」という原則の下、公共の安全を保障する治安インフラを築いた。国家安保と国内政治はコインの表裏のように決して分離できないことをローマ史から学ぶことができる。

政派ごとに路線が違っても、国家が外部の敵から攻撃を受けた時は、共に力を合わせる国であってこそ栄える。新年には、対北朝鮮関係、韓米・韓—欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)の批准、改憲問題など、政派間で対立する問題が多い。そのうえ、2012年の総選挙と大統領選挙を控え、政派間で前哨戦が予想される。対話と討論、多数決の原則と少数意見がともに尊重される議会民主主義の基本を立て直してこそ、先進化を成し遂げることができる。

大きな選挙が近づき、票を得るためのポピュリズム政策が量産される兆しがすでに見えている。国家負債を増加させるばらまき政策がむやみやたらに施行されるなら、国家と国民が耐えられない状況に追い込まれる恐れがある。一部の欧州国家の財政危機を反面教師としなければならない。政治家に責任ある姿勢を期待できないなら、有権者が冷徹な判断でブレーキをかけなければならない。

国内外の難題を切り抜けていくには、5000万の国民の結束した力を引き出す努力が必要だ。まず、指導層の率先垂範が定着しなければならない。危機に直面して、指導層が自ら責任を全うし、先頭に立つ姿を見せてこそ、国民に苦痛の分担と協力を呼びかけることができる。指導層がモラルハザードに陥った国家や社会は必ず崩壊するという事実は、東西古今の歴史が実証している。

昨年の韓国経済は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最上位圏の年間約6%の成長率を記録した。輸出額は、史上初めて世界7位になり、1人当たりの国民所得も2万ドルを回復したもようだ。主要20ヵ国ソウル首脳会議の開催も成功的だった。北朝鮮の挑発による国家的危機の中でも、経済が善戦し、国際社会で韓国の地位も一段階アップすることができた。しかし、今年の経済展望は楽観視できない。

2011年は、1945年に生まれた解放ベビーが65才を過ぎて老齢人口に編入され、韓国戦争後に生まれたベビーブーム世代(55〜63年生まれ)が本格的に引退する年だ。00年以降続いている出生率の低下現象に高齢化という難題が重なる。いつ訪れるか分からない統一に備えるためにも、持続的な経済成長は切実な課題だ。今年7月に暫定発効される韓EU-FTAと昨年に追加交渉が成立した韓米FTAをうまく活用して、成長の動力を高めなければならない。FTAは、韓国の経済的領土を広げることであり、就職難に苦しむ若い世代の雇用を拡張する道でもある。

韓国国民は、人々が不可能だと考える難局を賢く克服した底力を持っている。新たな覚悟と結束した知恵で対処していくなら、新年の不確実性を生産的な結実に変えることができるだろう。国民皆が「自重自愛」し統合の力を発揮するなら、やり遂げることができる。