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[社説]日本の危機対処から学び、静かに支援しよう

[社説]日本の危機対処から学び、静かに支援しよう

Posted March. 15, 2011 05:08,   

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日本宮城県気仙沼の私立保育園の保育士は津波が押し寄せてきた時、5歳未満の子ども67人を連れて近くにある3階建ての公民館へ向かった。2階まで水に浸かると、保育士は子どもたちを連れて屋上へ上った。保育士は黒い煙や油の臭いで息をすることも難しくなると、子どもに裂いたカーテンを被るようにした。2日間、寒さと飢えに苦しむ子どもたちに、「明日は必ず助けてもらえる」と希望を言いながら耐え、自衛隊ヘリで全員救助された。

犠牲者が数万人に達する地震や津波の大災害の中でも、日本人は落ち着いて秩序ある対応ぶりを見せ、世界を驚かせている。避難所やショッピングセンター、ガソリンスタンド、地下鉄の駅で日本人は愚痴をこぼさず数時間並ぶ。避難所では食べ物を他の人に譲る人情と思いやりが溢れる。原子力発電所の稼動停止で電力が不足すると、東京など地震被害が少ない地域では住民が電気使用量を減らし、電力需要が増える午後6時前に料理を終えようという節電運動が展開されている。

最悪の災難を前にして忍耐心と冷静さを失わない日本人の姿は我々を驚嘆させる。英国のフィナンシャル・タイムズは、「日本の市民意識は人類の精神が進化するという事実を見せてくれた」と賛辞を送った。日本人の危機対応の姿を見て韓国人が学ぶべき点は一つや二つではない。環太平洋地震帯に位置する日本とは異なり、韓国は地震と津波の危険から相対的には安全だが、その代わり北朝鮮の脅威がくすぶっている。

今日午後2時、北朝鮮の長射程砲の攻撃でソウルの主要施設が破壊され戦闘機が空襲する状況を仮定し、民防衛訓練が実施される。江原道(カンウォンド)、慶尚北道(キョンサンブクド)、蔚山(ウルサン)など一部東海岸地域では地震や津波に備えた訓練を行う。5月4日の民防衛訓練時には全国で地震待避訓練を実施する予定だ。

韓国は1975年民防衛基本法を制定し、36年間民防衛訓練を実施してきているが、未だに形式に止まる感がある。国民各自が実際の状況で直ちに適用できる民防衛訓練に発展させるのが課題だ。今回目にした日本人の底力は、高い市民意識と共に普段から地震に備えた訓練を徹底した成果と評価される。

隣国が見舞われた史上最大の災難に目を背けるわけにはいかない。救助と被害復旧に向かって、実際日本人にとって必要なのは何か、正確に把握することが急務だ。先進国の国民のプライドに十分配慮しつつ、静かに支援の手を差し伸べなければならない。公明心やライバル意識が先走ったあまり大げさに振舞い、支援の意味が色あせすることがないよう心がける必要がある。