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[社説]児童対象性犯罪に無防備な社会、どうするつもりなのか

[社説]児童対象性犯罪に無防備な社会、どうするつもりなのか

Posted July. 24, 2012 04:07,   

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幼い花のつぼみが、性的犯罪のいけにえになった。慶尚南道統營(キョンサンナムド・トンヨン)の小学生・ハン・アルムさん(10)を殺害した犯人は、性暴力前科のある40代の隣人の男であることが明らかになった。前科12犯のキム・ジョムドク容疑者は、登校途中のハンさんを自宅に連れて行き、性的暴行を試みたが、抵抗されると首を絞めて殺害し、遺体を遺棄した。

08年12月、ナヨンイ事件をきっかけに、性犯罪への処罰が強化され、電子タグや身元情報公開拡大などの対策が設けられたが、死角地帯で再び子供を狙った残忍な犯罪が起きたのだ。

キム容疑者は05年、隣町の60代の女性に性的暴行を試みたが、抵抗されると石で殴りつけ、怪我をさせた容疑で4年間服役した危険人物だった。このような性暴力の前歴があったのに、08年の電子タグ制度の導入前に刑が確定したため着用対象ではなく、身元情報も公開されなかった。このような制度の穴の中で、キム容疑者は何ら制裁も受けず、のさばり、女の子に近づくことができた。キム容疑者の性犯罪の前科を地域社会や隣人に公開し、アルムさんに注意を促していたら、このような惨劇を防ぐこともできたはずだ。現在のシステムで、キム・ジョムドクのような危険人物を監視する方法は、警察の「犯罪の恐れのある人物管理」制度だけだ。警察は3ヵ月に一度、キム・ジョムドクの動向を把握してきたが、犯行を食い止めることができなかった。米国などの先進的法体系を持っている国では、性犯罪者や暴力前科者には、住居や職業、旅行、インターネット使用などに様々な制限を加えているため、再犯を犯すのが難しい。

警察の取調べの結果、キム・ジョムドクの自宅のパソコンからは「ポルノ」が多数見つかり、その多くが児童ポルノと確認された。キム容疑者は小さな女の子に性的興奮を感じる小児性覗き見症患者である可能性が持ち上がっている。児童ポルノのダウンロードさえも処罰の対象となる。しかし、韓国は処罰規定すらない。子供は、自己保護手段がおらず、性犯罪者のターゲットになりやすい。社会や既成世代が、児童への性犯罪に対し、強力に対応しなければならない理由でもある。

児童対象の性犯罪者の身元公開は、「性犯罪者知らせe」サイトを運営する女性家族部が、電子タグの管理は法務部と検察が、犯罪を起こす恐れのある者の管理は、警察が担当している。韓国の性犯罪は、その対象が無差別的に行われている特徴を見せており、子供やお年寄り、知的障害者、身体障害者などの弱者たちが被害者になるケースが多い。政府は省庁別に分離している性犯罪者のデータベースを統合させ、警察の犯罪危険者管理裏付ける法律を制定し、性犯罪の死角地帯を減らしていかなければならない。