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[オピニオン]韓国戦争は果たして「統一の試み」だったのか

[オピニオン]韓国戦争は果たして「統一の試み」だったのか

Posted October. 13, 2001 10:26,   

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韓国戦争は、「成功できなかった統一の試み」だったのか。この質問は先月29日の国軍の日に、金大中(キム・デジュン)大統領が行った記念演説によって引き起こされた市井の疑惑と批判の核心に当たる言葉だ。国軍の日の記念式典が終わってから2週間にわたって、マスコミによって簡単に紹介されただけだったが、予備役将軍団体の「星友会」が8日、「金大統領の韓国戦争の認識に対する公開質疑書」を発表し、続いて国会で二人の野党議員が大統領の認識を批判したことで、国民の疑惑と不安が増幅しつつある。

大統領府をはじめ政府与党の反応は、韓半島における平和定着の必要性と平和な統一を強調する目的で述べたものであり、その真意を誤解したり歪曲しないでほしい、というものだった。こうした反応に対して、私たちは問題の本質と韓国戦争当時の歴史的現実を改めて考察する必要がある。この作業は、演説文の内容に対する分析、検討と韓国戦争当時の史実の検討という二つの作業が平行して行わなければならない。

金大統領の演説のうち、関連内容の原文は次の通りだ。「韓国の歴史を振り返ってみますと、統一の試みが三回ありました。新羅(シルラ)の統一と高麗(コリョ)の統一、この二回は成功を収めました。ですが、三回目の統一の試みだった韓国戦争は成功できませんでした。ところが、この3回とも武力による統一の試みでした。しかし、もはや四回目の統一の試みは決して、武力によるものであってはなりません。必ず平和に進めるべきです。今は南北が莫大な大量破壊兵器を保有し、対立しているために、私たちは民族の安全のためにも、将来の繁栄のためにも必ず平和統一への道を歩まなければなりません」。

引用した演説文の前には、知識基盤経済の発展によって平和を確立し、平和統一をしようと説いた内容が、後には知識基盤経済と南北間平和と交流協力を強調する内容となっている。政府与党は前後のセンテンスの内容と先に引用した後半部の内容を取り上げて、平和統一を強調するために、韓国戦争を失敗した統一の試みだと述べたのだ、と主張している。

しかし、じっくり考えてみると、韓国戦争関連の内容と前後のセンテンスには意味上の関連性があるように見えるが、論理面での関連性は見られない。引用した演説文にはこの他に二点問題がある。新羅の統一と高麗の統一が当時王国の統一の試みだったと認めたとしても、韓国戦争を果たして統一の試みと言えるのか、そして具体的に南北どちらの試みであり、どのような行動が統一の試みに該当するのかが問題だ。いくら考えてみても、統一の試みの主体が韓国(南)なのか、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮、北)なのかわからないし、韓国戦争当時、南北双方のいかなる行動が統一の試みだったのか理解できない。この点についても、金大統領は立場を明らかにする必要がある。

では、戦争当時の歴史的現実を振り返ってみよう。韓国戦争の原因については、様々な議論と説がある。李承晩(イ・スンマン)元大統領の反共産主義政権強化のための北進統一政策のためだとか、南北双方の権力闘争の拡大もしくは、米国による対ソ連封鎖のための基地形成戦略上の大義名分をつくるための南侵誘導説など、修正主義の見方もある。

しかし、イデオロギーの偏見と観念の虚構を振り払って、当時の歴史現実をあるがままに評価するとすれば、韓国戦争はスターリンと毛沢東、故金日成(キム・イルソン)主席が合作した反国際法的な不法奇襲韓国侵略行為であり、同じ民族が互いに矛を交えた反民族的な行為だった。韓国侵略という歴史の事実が明らかになると、北朝鮮はこの侵略を「人民解放戦争」だと正当化した。

だから、韓国戦争を北朝鮮の武力による統一の試みだと解釈する場合は、北朝鮮の「人民解放戦争論」を「統一の試み」と見做し、韓国侵略を正当化する結果となる。もし、韓国が武力による北進統一を試みたと解釈すれば、韓国が不法に北朝鮮侵略したことになる。また、総反撃当時、38度線を突破して武力による北進統一を試みたとすれば、これは論理面や歴史現実の面で納得が行く。国連と米国の38度線突破決定の目標が当時は明らかでなかったが、結果的に統一のチャンスが訪れたのは確かだ。しかし、それも初めから意図したものではなく、単に失地修復作戦だったのだ。

こう見ると、多数の国民が抱く疑惑と不安、憂慮、そして怒りを解消し、国のアイデンティティーを明確にするためにも、不適切な表現だという批判に対して直接釈明するべきである。もし、国民や野党政治家らが真意を誤解したり歪曲したりしているとすれば、これを正すのも金大統領の責任と言えるだろう。

ユ・ジェカップ京畿大学統一安保大学院長(国際政治学)