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[オピニオン]生き残りの道は、東アジア共同体

[オピニオン]生き残りの道は、東アジア共同体

Posted January. 23, 2002 11:56,   

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世界の流れが、大きく変化している。このような大きな変化に際し、どの国でも未来に向けた積極的な「世界構想」を打ち出し、科学的な「世界戦略」を立てなければならない。しかし、韓国には、これまで独自の世界構想と世界戦略がなかった。戦後約40年間は、いわゆる冷戦時代ということで、対米依存だけで十分であった。しかし、冷戦が終えんしてから久しく、今世界秩序は、大きな地殻変動を起こしている。韓国外交が、独自の目標と戦略を持たなければならない時なのである。韓国の世界構想の第一目標はどうあるべきか。一言で言えば「新東アジア共同体」の構築でなければならない。

第一の理由は、東アジアにおける政治的、軍事的覇権主義の登場を、何としてでも防がなければならないためである。歴史を見ると、東アジアにおける覇権主義の登場は、常に韓半島でのかっとうや対立の激化として、韓民族の不幸として現れた。このため東アジアに平和的な安保共同体を構築することは、韓国には死活問題なのである。

第二に、国際化への挑戦に效果的に備えるためである。世界貿易体制における韓国の交渉力を高め、国際金融の不安定に対処するためには、経済的かつ金融的地域共同体の構築が必須である。欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)に次ぐ共同体を、東アジアに急いで築かねばならない。

第三に、韓国経済を名実ともに、先進経済に進入させるためである。東アジアは、21世紀の世界経済で、最もダイナミックな地域になると思われる。地域共同体を通じた域内自由貿易の拡大や戦略的提携の強化などの経済協力拡大を通じて、韓国経済の第2の跳躍を果たさなければならない。

第四に、韓民族の念願である統一を早めるためである。統一問題は、決して民族内部だけの問題ではない。東アジアにおける安保共同体や経済共同体の構築という「大きな動き」の中で、南北統一の決定的な契機を模索しなければならない。

ならば、どうすればよいのであろうか。第一に「韓国の東アジア構想」の基本戦略と原則をしっかりと打ち出す必要がある。即ち、同盟関係の強化を最小の戦略で、そして多国間協力の拡大を最大の戦略で行なわなければならない。東アジアには、今だに富国強兵の近代国家建設を目標とする「20世紀型国家」が存在する一方、国際化時代に相応しい国家目標や政治主体の多様化(政府、地方団体、NGO等)が大いに進展した「21世紀型国家」も存在する。このため、韓国には、重層戦略が必要なのである。韓米、韓日間の従来の同盟関係(bilateralism)を一層強化する一方、韓国、中国、日本はもとより、ロシアやモンゴル、そして東南アジア諸国連合(ASEAN)をすべて含めた「開かれた多者主義(open multilateralism)」を強力に推し進めなければならない。恐らく中国と日本は、多者主義を急がないものと思われるが、多者主義に乗り出したとしても、覇権的意志が「閉ざされた」スタイルを好むかもしれない。しかし、韓国は「開かれた多者主義」で、積極的に説得に当たらなければならない。それが、真に東アジアの平和と繁栄を保証する反覇権主義の原則に則ると同時に、小国の意見も重んじる民主主義の原則にも合致するためである。

第二に、これからは防御的かつ受身的な政務外交ではなく、攻撃的で能動的な統合外交(軍事、通商、文化、民間)を大幅に強化し、韓国の世界構想によって、相手国の政府はもとより、野党、企業、知識人社会、マスコミ、市民社会などに、積極的にアプローチする総合戦略が欠かせない。筆者は数年前に、現在与党の台湾民進党が、野党時代に、すでに米国ワシントンに事務所を設けて、数十人の専門家を常駐させ、党の対米大衆政策の妥当性を米政府や学者、シンクタンク、市民社会に組織的に説明しているのを目にした。韓国では、野党どころか与党も考えつかないことを、いや、政府もろくにしていないことを、台湾においては、一介の野党が努力するのを目の当たりにして、大きな感銘を受けたことがある。強大国との外交が難しいとばかり言わずに、説得に向けて韓国がどれほど体系的かつ組織的に努力してきたのか、深く反省しなければならない。もはや韓半島をめぐる世界情勢は、再び19世紀末に回帰したようである。100年前の悲劇が繰り返されないためにも、韓国の東アジア構想を打ち出し、これを推進する世界戦略を立てなければならない。さらに、隣国の未来勢力や良心勢力への説得も欠かせない。21世紀を韓民族と東アジアが、必ずともに勝利する世紀にしなければならないのである。

朴世逸(パク・セイル)ソウル大教授(法経済学)