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[オピニオン]無人航空機

Posted November. 06, 2002 23:08,   

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戦争ほど、科学技術の発展と切っても切れない関係のものはないだろう。第1次世界大戦、第2次世界大戦などの大規模な戦争が起るたびに、人類は科学技術の飛躍的な発展を経験した。目覚ましい発展をとげた電子技術は、今日の戦争スタイルそのものを完全に変えてしまった。戦争がまるで先端電子装備を利用したコンピュータ・ゲームのように変わったのだ。指揮統制システムだけでなく、実際の戦闘現場の状況が革命的に変わる日も遠くない。すでに米陸軍は、これまでの歩兵師団を無人偵察機や偵察ロボット、ロボット装甲車などにかえる「未来戦闘システム」の研究にばく大な予算を注ぎ込んでいる。このような未来戦争の主役の一つとして脚光を浴びているのが、無人航空機(UAV、Unmanned Aerial Vehicle)である。

◆現代戦で無人航空機が本格的に登場したのは、1982年のレバノン戦争の時だった。当時イスラエル軍の進撃路だったベカ渓谷には、シリア軍が膨大な防空網を構築していた。イスラエル空軍は、独自に開発した無人航空機「スカウト」をベカ渓谷に飛ばし、シリア軍のミサイル発射を誘導した。これによってイスラエル軍は敵のレーダー基地の位置をつかみ、これを80%以上破壊して、戦争を一方的な勝利へと導くことができた。これを契機に、米国など世界各国は、無人航空機の開発に積極的に乗り出した。無人航空機の用途も偵察や攻撃からさらに広がり、今は無人戦闘機まで試験段階にあるという。

◆米国の無人航空機「プレデタ—」から発射されたミサイルが、イェーメン北西部の高速道路上で、アルカイダの幹部が乗った車両を爆破したというニュースが注目を集めた。プレデタ—は4km離れた所でも交通信号の識別が可能な高解像カメラと気象レーダー、赤外線探知装置など、先端装備を搭載した低空飛行用無人機。今回の「作戦」は、戦闘機発射ミサイルや衛星でコントロールされる巡航ミサイルよりも、はるかに正確に攻撃できる無人航空機の長所を十分にいかしたケースであるといえる。

◆科学技術の発展により、今や「遠隔暗殺」までできるようになった。遠く離れたコントロール室に座り、無人航空機が送ってくるリアルタイムの映像資料で敵を確かめ、ミサイルで攻撃した後、成果を確認することまで一気に行なわれるのだ。ともあれ先端化された戦争で、画面上の敵に向かってミサイルの発射ボタンを押す兵士の心理状態は、過去に敵と直接銃撃戦を繰り広げた時と比べて、どれほど異なるだろうか。画面上で人を殺すことをコンピュータ・ゲームで敵を除去することのように考えるのなら、真にぞっとする世の中である。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com