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[オピニオン]クリスティーズの韓国人

Posted March. 26, 2003 22:41,   

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世界古美術市場に流通している韓国美術品の量は非常に少ない。クリスティーズとともに国際競売市場を二分しているサザビーズ社は、次のように喩えたことがある。「中国の古美術品が『海』ほどの規模だとすれば、日本は『川』ほどで、韓国は『小川』ほどしかない」と。外国の著名な博物館を訪問してみると、アジア諸国でも中国と日本に関しては広い展示室を備えている反面、韓国の名前を掲げた独立の展示室さえもない場合が多い。韓国文化に対する世界の人々の認識もこの範囲を大きく離れていないのではないか、と残念な思いがする。

◆韓国の古美術品が多く見られないのは、韓国で作られた美術品の量が少ないからではない。1960、70年代の経済開発の過程で、保存価値のある文化遺産をあまりにも簡単に廃棄処分したのも一因だ。世界市場での「物量不足」は韓国が古美術品の海外搬出をどの国よりも厳しく制限したことも原因に挙げられる。ここには植民地時代など韓国の国力が弱かった時代に外国に文化財を奪われたという悔しさに対する補償心理が働いている。外国に流れた重要文化財を再び取り戻した時、胸いっぱいの気持ちで拍手を送るのもこうした背景があるからだ。

◆だが、韓国の美術品は韓国にあっても外国にあっても「韓国のもの」であるという事実には変りがない、ということも念頭に置くべきだ。失った文化財がようやく韓国に返還されてから、私たちがどれほどの愛と関心を注いだのか考える必要がある。この瞬間にも国内の多くの文化遺産が開発優先論理によって適切な保護を受けられず、損なわれ失われていく。むしろ、国宝級ほどの優れた美術品でないならば、外国で展示し優れた韓国文化を知らしめる役割を果たした方がいいのかも知れない。

◆最近、クリスティーズやサザビーズような外国のオークションから聞こえてくる知らせによると、韓国の古美術品や朴壽根(パク・スグン)のような近代画家の絵が莫大な金額で競り落とされているという。美術品を購入した人の身元は絶対に公開されないが、中には韓国人が少なくないと言われている。国内にある同じような美術品の価格を引き上げるために外国のオークションで故意に落札競争をしているという話も聞かれる。だとすれば、高い落札価というのは韓国人同士の価格に過ぎず、その美術品は韓国に戻ってくるということだ。韓国の文化を知らせ位相を高めるには、私たちの「固定概念」を破る事から始めるべきなのではないだろうか。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com