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[オピニオン]間抜けな「親日サイト」

Posted March. 01, 2004 23:23,   

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元従軍慰安婦をモチーフにしたヌードを撮ったとして波紋を呼んだ、いわゆる「李丞涓(イ・スンヨン)ヌード」騒ぎは、わが国における大衆文化の様々な特徴を盛り込んでいるという点で、単なるハプニングとは思えない。いつかは起きるべき事件であったし、この先同じような事件が起こらないとも断言できない。大衆文化は、関心さえ引き起こせるなら、それが何であろうと構わないといった扇情主義にはまっている。「身体」を利用したショーマンシップも目立つ。「李丞涓ヌード」は、ここ数年来の「ヌードブーム」の延長線上にある。

◆「李丞涓ヌード」に見られる、もう一つの文化現象は、歴史認識の混乱である。ヌード制作者たちが、日本軍慰安婦の実体について少しでも知っていたならば、今回のような騒ぎは起きなかったはずだ。歴史に対する無知と歴史教育を嘆く者もいるが、歴史に対する判断が揺らいでいるというのが、より大きな理由である。中国の朱子は、若者たちが歴史を学ぶことについて、非常に慎重な立場を取った。彼は、学問の基本とされる「大学」「論語」「孟子」「中庸」の四書を読み終えてから、歴史書を読むようにした。彼は「もしも、初めから歴史書を読めば、心の中に一定の基準がないため、大方道に迷うことになる」と力説した。

◆日帝(日本帝国主義)による侵略の歴史を、詭弁と強引な論理で正当化するインターネットサイトが、国内で運営されているという。彼らは「安重根(アン・ジュングン、伊藤博文を射殺した独立志士)義士は、個人的な不満を伊藤博文のせいにして、腹いせをした」とか「3・1運動(1919年3月1日に起きた独立万歳運動)を、日本が平和的に鎮圧した」などと、とんでもない主張を展開している。いっそ、相手にしないのもひとつの方法ではあるが、最近私たちの周辺で、歴史の解釈をめぐって引き起こされる現象をみると、ただ黙っているわけにもいかないのだ。

◆教室の中で、検証されないままの、偏った歴史教育が行われているかと思えば、政治的な目的から、歴史が歪められたりする。同じ歴史的事件をめぐって、見方のずれが大きく、もっともらしい論理で装っているため、第3者としては判断が鈍るのも当り前だ。「親日サイト」のような毒キノコが育つ、有害環境である。事情がこうとあっては、歴史を多く教えることだけが能ではない。「でたらめな歴史」が幅を利かせないように、歴史を正しく正確に見つめる知識を持たせるのが優先だ。朱子の言葉どおり、歴史が道に迷うと、民族と国家も同じように道に迷うことになるはずだから。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com