Go to contents

[オピニオン]日本の「改憲の歌」

Posted October. 11, 2005 03:02,   

한국어

韓国と日本の違いは、国歌の出だしにもはっきりとしている。韓国の「愛国歌」は「東海水と白頭山が干上がり、磨り減ってなくなるまで」で始まる。日本の「君が代」は「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで(天皇の治める世の中が永遠で、小石が岩になり、そこにコケが生えるまで)」となっている。韓国の「海が乾き、山が磨り減る」に比べると、日本の歌詞は少し気になる。同じ誇張ではあるが、「石が合わさって岩になる」とは、いかにも科学や常識に合わない神話ではないか。

◆火山が多い国だから、日本では石ころが溶けて溶岩になり、岩になることがあるのかもしれない。それにしても、さすが団結の得意な「神の国」の日本ならではの発想ではないか。韓日の違いはほかにもある。神聖なる「天皇賛歌」の編曲や作曲に、ドイツ人のフランツ・エゲルトとイギリス人のウィリアム・ペントンの2人が参加している。しかし、国歌を異邦人がつくることについて反論する日本人はいなかった。神話と実用というまったく異なる2つの矛盾が共存する国だ。

◆政権党の自民党による新しい憲法の前文草案が明らかになった。「太平洋と日本海の波打つ美しい島々で」という文言が新たに加わった。独島(トクト、竹島)と尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張したい思惑があるのではないかといわれている。自衛隊の軍隊化に向けて「国を愛する国民の努力によって独立を守る」という文言も加えた。このような前文が新憲法起草委員会前文小委員会の委員長の中曽根元首相の主導で作られ、党論に付されたという。

◆中曽根元首相は半世紀前の1956年、自ら「改憲の歌」を作った改憲派だ。「マッカーサー憲法を守るのはマッカーサーの使いになること。この憲法がある限り、無条件降参は続くほかない」「この憲法を受け入れなければ、天皇制をなくすと言われ、涙をのんで受け入れざるをえなかった」。これまで日本は戦争を起こし国民を惨禍に追い込んだことへの反省として、平和憲法を維持してきた。いまや日本国民は戦争のことを忘れつつある。選挙で圧勝した自民党は「石ころ」を集めて一つにし、改憲という「岩」を手にしようとする。その「岩」が隣国に災いすることがないよう願うだけだ。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員、 skim@donga.com