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[オピニオン]高句麗古墳の受難

Posted May. 16, 2006 03:00,   

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鴨緑江(アムノッカン)にある雲峰(ウンボン)水力発電所は、北朝鮮と中国が1964年に共同で建設し、電力を半分に分けて使っていたが、今は中国が管轄している。川を挟んで、北朝鮮と中国が向かい合っており、ダムの半分は北朝鮮の土地だ。最近、高句麗(コグリョ)古墳約2300基と旧城跡が発見され、注目されている所だ。中国メディアは、雲峰ダムと呼んでいるが、「雲峰」という言葉は、北朝鮮側の雲峰里という村の名前から取ったものだ。

◆このダムに高句麗古墳が水没しているという事実は、以前から学界で知られている。中国側が今回、ダム補修のために水位を下げるや、遂に姿を現わしたのだ。古墳が約2300基もあるのは、古墳を作った勢力が、長い期間に渡ってこの一帯を支配し、大変強力な集団だったことを意味する。果たしてどのような勢力だったのかが、関心の焦点だ。中国の新華通信は、遺跡発見を伝え、中国側の専門家の言葉を引用して、「漢の時代に築造された古墳と城だ」と主張した。

◆韓国の学者たちは、あっけにとられた表情だ。漢の城は土で積んだ土城であり、高句麗の城は石で作った石城で、明確に区別できる。今回発見された城は石でできたもので、高句麗の城であることは確かだということだ。中国は、大規模な遺跡発見にもかかわらず、城跡を掘り出さず、再び入水を始めた。中国の文化遺跡だと言いながら、なぜ急いで水没させるのか。その意図は何か。韓国側が共同調査を提案する前に急いで埋めようとしているという解釈が、国内の学界から出ている。

◆雲峰ダムの「共同所有者」である北朝鮮側は、韓国の学者たちに、「日本の歴史歪曲に対しては北朝鮮が強く出る。その代わり、中国の歴史歪曲に対しては、韓国がうまくやってほしい」と頼んだという。「主体」を掲げながらも、中国の前では限りなく弱くなる北朝鮮の沈黙はそうだとしても、韓国側は、堂々と共同発掘を要求しなければならない。高句麗を中国の歴史に編入させようとする中国の東北工程計画が、歴史教科書を除いて事実上完了したという懸念が、韓国学者たちの間から出ている状況だ。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com