Go to contents

[オピニオン]少女効果

Posted January. 29, 2009 07:03,   

한국어

「この子にはもっといい教育をさせたいの」。母は16歳の娘を午後11時57分の終電車に乗せ、上京させた。町に電気が来たのは小学校6年の時。そんな田舎だった。幼い彼女にとって昼は働き、夜には工場の付設学校で勉強する現実がきつくなかったはずがない。「娘にいい教育をさせたい」と願った母の意志がなかったら、小説『母を頼むわ』の作家、申京淑(シン・キョンスク)ははたして誕生していただろうか。無断欠席した彼女に反省文の課題を出し、大学ノートにぎっしりと綴られた反省文から文学の才能を見出した教師がいなかったとしたら、はたして今日のベストセラー作家は登壇できただろうか。

◆1960年、70年代、韓国の親たちは貧しかったが教育熱は高かった。しかしすべての国が韓国のようではなかった。子供は幼い時から働かせ、学校には行かせない途上国は数多い。特に娘は、「嫁げばうちとは関係なくなるから」といってほとんど学校に行かせない。タリバン政権下のアフガニスタンでは、少女たちが学校に行くことそのものさえ禁止していた。貧困、家庭内暴力、失業、低開発の悪循環を断ち切れないはずだ。1994年、通貨危機に見舞われたメキシコ政府は1997年、「機会(Oportunidades)」という名の条件付き福祉制度を導入した。貧困層の母親のうち、息子か娘かを問わずに、子供を全員学校に行かせた人しか手当を受給できないという制度だ。1996年には37.4%だった極貧困層の割合は10年間で13.8%に減少した。

◆「途上国の少女たちへの教育は他のいかなる投資よりも高い効果をあげる」と1992年、世界銀行のチーフエコノミストだったローレンス・サマーズ氏(現米国家経済委員会議長)は述べた。小学校で1年長く勉強すれば将来の収入が20%増え、中等学校に進学すれば25%が増える。収入の35%しか家族に投資しない男性とは違って、女性は90%を投資する。教育を受けた少女のほうが、母親になった時、子供の教育により熱心だ。幼児死亡率やエイズ感染も減る。

◆昨日開幕した2009年世界経済フォーラムは「経済学を越えたグローバルアジェンダ」の一つとして「少女効果(Girl Effect)」による途上国の貧困克服をあげた。少女たちの中等学校卒業率が10%増えれば、貧困国の経済成長率は3%アップする。名づけて「少女効果」だ。この少女効果を無視しては女性のエンパワーメントも、社会開発も立ち遅れてしまう。韓国の近代化こそ、少女効果の「生きた証人」である。

金順徳(キム・スントク)論説委員 yuri@donga.com