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[オピニオン]悲運の「T−50」

Posted February. 28, 2011 08:49,   

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「黒鷲は羽ばたきたい。韓国を越えて世界へ…」。T−50の異名は「ゴールデン・イーグル」。韓国語では黒鷲だ。韓国空軍には62機が納品されたが、輸出には何度も躓いた。三度目の本当といわれる。インドネシアだけは、なんとしてでも売り込もうとして、多くの関係者たちが頑張っている中、国家情報院の要員たちがインドネシア特使団宿舎侵入事件で邪魔をしてしまった。アラブ首長国連邦(UAE)やシンガポールへの輸出も、最終段階でとん挫した。T−50の悲運が続いている。

◆T−50は、米国と共同で開発された。米会社がT−50の主翼の製作を担当した。米国は、製作単価が大変高いため、韓国は高い値段で主翼を引き取るしかなかった。03年、若干の対価を支払って主翼製作権を買い取った。監査院は、米会社に支払った対価が違法だとして、関係者らと刑事告発した。幸いに、検察が嫌疑無し処分を下した。彼らは「国益のためにしたことなのに、酷すぎる」と悔しい気持ちをぶちまけている。

◆T−50の価格が割高ではあるが、UAEへの輸出が挫けたのは価格の問題のためだけではない。「朴正煕(パク・チョンヒ)流の国家開発」に多くの関心を示しているUAEの王子は、「対空ミサイル、電子産業の関連技術を提供すればT−50を買う」と提案した。T−50を作る韓国航空としては、権限外のことだった。イタリア製練習機は出荷もされていないモデルだった。しかし同社の親企業が前面に出て、系列会社の技術をまとめて提供するとして、優先交渉対象に選ばれるのに成功した。しかし系列会社が関連技術の提供に難色を示し、UAEは高等練習機事業の見直しに着手した。

◆UAEは09年末、韓国が原発事業を受注する際にも高等練習機の入札のときと同じように、先端技術の支援を要求している。李明博(イ・ミョンバク)大統領が関係機関を動かして支援を約束したことで契約を取り付けることができた。最近、UAEは王室専用機を提供して、崔瑩(チェ・ヨン)艦が逮捕したソマリア海賊を韓国に押送できるよう協力した。友好的な関係を生かせば、UAEでT−50の逆転勝ちも期待できる。インドネシアも国家情報院事件を大きく問題視する考えがない様子だ。T−50が羽ばたくべき大きな市場は米国だ。米国でステルス機を導入する見返りとして、T−50の輸出が実現するならば、黒鷲は不運を打ち破って垂直上昇することができるはずだ。

李政勲(イ・ジョンフン)論説委員 hoon@donga.com