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[オピニオン]暴力団組員の入れ墨

Posted November. 05, 2011 07:10,   

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朝鮮王朝実録には、同性愛の関係にある宮女同士が愛情のしるしとして「朋」の文字を密かに体に刻んだという記録があるが、韓国社会で入れ墨が盛んだった時期はない。3世紀、中国の三国志魏志東夷伝には、日本について「男子皆黥面文身」と書かれている。「男はみな顔に入れ墨(文身)をしている」と言う意味だ。韓国は、中国から伝わった「文身」という言葉をそのまま使っているが、日本では「イレズミ(入れ墨)」と言って、固有の漢字語を使っている。「イレズミ」という題名の有名小説や映画もある。

◆韓国で入れ墨は、最近までも暴力団がするものだとばかり考えられている。日本帝国主義による強制占拠期に生れた暴力団員たちが日本のヤクザの影響を受けて入れ墨をするようになった。中国水滸伝を見ると、梁山泊に入れ墨をした豪傑たちが登場する。彼らの仁義に感銘を受けた日本のヤクザが入れ墨を入れるようになったという説もある。現代における入れ墨は、韓国の暴力団、日本のヤクザ、中国系の幇など東アジアの暴力組織に共通した現象だ。家紋のように、暴力団組員たちは入れ墨を施すことで組織への所属感を見せ付けている。入れ墨を施すときの痛みを耐え、消えない刻印を体に持つことで覚悟を表しているのだ。

◆入れ墨には、見るだけでもぞっとさせる効果がある。古代社会の戦士たちは、敵の機先を制するために顔に怖い入れ墨を施した。現在の暴力団組員たちがしている入れ墨にも、怖い龍や虎の絵が圧倒的に多い。上半身や全身にかけてサインペンで描いたかのように色鮮やかで、濃く施したため青黒い色を出している入れ墨は、見る人に恐怖感を与えるに十分だ。入れ墨をするのは自由だが、他人の気持ちにも気を配るべきだ。公衆浴場で入れ墨を施した男に出くわすと、突然怖い雰囲気になり入浴したい気持ちにならない。

◆蔚山(ウルサン)警察庁の広域捜査隊は、龍の入れ墨をして公衆浴場を利用した暴力団組員2人に対して軽犯罪処罰方違反で5万ウォンの罰金を課した。最近、趙顯五(チョ・ヒョンオ)警察庁長官が暴力団取締り強化を指示したことを受けての措置だ。日本の公衆浴場やフィットネスクラブには「入れ墨をした人は立ち入り禁止」という札が掛かっているところが多い。入れ墨をした人がそういう場所に入ると、刑法上の住居侵入罪で処罰され、主人の退場要求に応じなければ退去不応罪で処罰される。暴力団組員が闇の世界のシンボルを勝手に表に出してかっ歩することがないよう、厳しく規制する必要がある。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com