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複雑なシンボル…紛らわしいミステリー 映画「4人用の食卓」

複雑なシンボル…紛らわしいミステリー 映画「4人用の食卓」

Posted August. 07, 2003 21:47,   

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映画「4人用の食卓」はいわゆる「感性ミステリー」を標榜した。ところが、観客は同映画を最後まで見た後も、依然として「ミステリー」から逃れられない。ストーリの密度が緻密でないうえ、映画そのものが「迷路」に陥ったためだ。こんな所が映画の弱点になるのだろうかという懸念の声も出ている。

結婚を控えたインテリア・デザイナー、チョンウォン(パク・シンヤン扮)は地下鉄で亡くなった子どもたちの魂を目撃する。チョンウォンは食卓でもその子どもたちの魂を見る。混乱に陥った彼の前にし眠(極度の脆弱のため、深い睡眠状態に陥る病気)を患っている女性、ヨン(チョン・チヒョン扮)が現れる。チョンウォンはヨンも魂を見るということを知った後、恐怖の秘密を解くために、ヨンに近づく。ヨンには子どもを失った心の傷があり、苦しみに当事者すら忘れてしまった過去のことを見る能力がある。

モノトーンの暗い色合いが独特なこの映画は初めから多くのシンボルと伏線が敷かれている。語られ続けた4人用の食卓、食卓の椅子から離れない亡くなった子どもたちの魂、貧民街で掃除車にひかれ亡くなった子どもの指を見るチョンウォンの夢、螺旋模様の絵など相次ぐシンボルは映画のストーリーがどういうふうに展開されるのか、好奇心を起こす。

ところが、始まってから、1時間が過ぎても、映画はチョンウォンがヨンに「ちょっと話ししよう」とついていくことからなかなか進まない。ポツリと投げられた奇妙な状況とシンボルはまとまらず、あいまいなまま残される。

「どうして」といった疑問をかもし出す場面が多すぎるため、観客の理解を妨げる。後半部に明らかになるミステリーの正体はなにか物足りない。シンボルと伏線をつなげた知的なミステリースリラーを期待した観客はがっかりするだろう。

チョン・チヒョンはあらゆる風雪を経て、憂うつの淵に沈んでしまった「ミステリーの女性」を演ずるにはあまりにも無表情で、せりふの処理が未熟だった。彼がむせび泣く場面でも激烈な感情は観客席へ伝わらない。新人監督の李スヨンが脚本と演出を担当した。15歳以上観覧可能。8日封切り。



金熹暻 susanna@donga.com